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ゆっくり達を飼い始めてどれくらいになるだろうか。 最近私が教育していたゆっくりに変化が訪れた。 私が育てているのはれいむ種が2匹、まりさ種が2匹、ありすが1匹、みょんが1匹。 それぞれ違う部屋で、別々に教育を施した。 人間に対して元より持つ野性的な行動を取らせない事が第一の教育方針。 これはどの種にも行い、それをしっかり身に着けさせるには骨が折れた。 しかし今回この場で話すのはそんなストレスがマッハになるような事例では無い。 この、各ゆっくりに対する育て方の違いで―この謎の生命体は驚くべき変化を遂げたのだ。 1つ目のれいむの部屋に入る。 「おにーさん、おかえりなさい!」 小さい畳を敷き、ミニチュアな鳥居と賽銭箱を備えた透明ケースから声を上げるれいむ。 「ただいまれいむ。今日もれいむのゆっくりぽいんとでゆっくりしてたんだね」 「ええ、ゆっくりしてたわ。でもちょっとくらいなにかおこらないの?」 れいむは部屋に一緒に住まわせていた亀の上に乗りにこやかに話す。 このれいむ、リボンには変化が無いものの、髪の毛が綺麗な紫色となっているのだ。 こんな感じになったのは―ここに住まわせて1ヶ月位経った頃だろうか。 ゆっくりと他の動物を一緒に住まわせたらどうなるか試した所、偶然にもこのような変化をもたらしたのだ。 「そんなれいむの為に、今日はこんなのを用意してみたよ」 そう言って私は捕まえてきていた野生のれいむをケースの中に入れる。 「ゆ!ここはとてもゆっくりできるよ!!!ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!!!」 何と言うか、お約束の一言。 よくもまぁこんな言葉をすらすら言える本能を持っているものである。 「ゆゆ、へんなれいむがいるよ、かみのいろがへんなれいむはゆっくりでていって…ゆべっ!?」 「ひとさまのいえにきて、よくもまぁそんなくちがたたけるわね」 紫髪のれいむに対して暴言―おっと、本能の言葉だった―を吐きつけるれいむに対してのしかかる紫髪れいむ。 「どぼじでごん゛な゛ごどずる゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「あなたが、みのほどをしらないからよ」 「ゆびぃっ」 泣き喚くれいむに上からのしかかり、息も絶え絶えになったれいむに冷たい言葉を放つ紫髪れいむ。 そしてそのままとどめを刺さずに放置。 「ふぅ、これでいへんかいけつね。おにーさん、すてきなできごとありがとね」 髪の毛が紫になったれいむは以前に比べ好戦的になり、いつもと違う事が起きるとそれを解決するようになった、ようだ。 それじゃまたね、と紫髪れいむに挨拶をし、私は次の部屋へ向かった。 「あ、おにいさん!ゆっくりしていってくださいね」 ミニチュア鳥居にミニチュア神社、渡り石などを広げたケースから丁寧な声が聞こえてきた。 ここは、もう一匹のれいむを育てていた場所である。 「きょうもかみさまのはなしをきかせてくださいますか?」 「それはもう少し後でいいか? 今は皆の所を順番に回っているんだ」 ここではれいむに対して神様のお話を毎日欠かさずしていた。 これもまた1ヶ月位していたのだが、段々とリボンが小さくなり、れいむのかみのけが緑色になり… そして今では立派な"ゆっくりさなえ"に姿を変えていたのである。 「そうだったのですか」 「ああ、もう少ししたら皆に会わせてあげるよ」 これが元々れいむ種だったと誰が思うだろうか。 礼儀正しくてとても懐いてくれる、躾の行き届いたゆっくりである。 「もし私を悪く言うゆっくりが来たら、さなえはどうする?」 「そのわるいゆっくりをこらしめます!」 うんうん、さなえも私に対する信頼度は高いみたいだ。 野良ゆっくりに対しても紫髪れいむとまではいかないが攻撃を仕掛けるだろう。 「うふふ、おにいさんきょうもきてくれたのね」 魔法陣っぽい絵柄の書いてある地面にゆっくり用の本や何やらを用意したケースから笑い声と共にまりさが迎えてくれた。 「お、まりさ。今日も勉強してるのか?」 「ええ、どすとやらはふしぎなわざがだせるんでしょ?わたしもまけてられないわ」 躾ついでに本を読ませて勉強させてみた所、このまりさは帽子が紫色に、髪が赤色に変わった。 オマケに口調まで変わったときたものだ。 基本、まりさ種がうふふと笑うのは酷い虐待を受けて頭の中がイカレた時にしか言わないと考えていたのだが。 どうやら違う条件でもうふふと言うようになる、それの手段の一つなのかもしれない。 「うふふ、もっと強くなるわよ、うふ、うふ、うふふふふ・・・・・・」 自分の世界に入りながらも勉強する姿を見て、私は次の部屋に向かう。 「わぁっ!!!」 「うわぁ!?」 「ふふふ、おどろいたかい?」 薄暗い部屋のなか、ちょっと廃墟っぽいイメージを施したケースを覗き込んだ途端、後ろからした声にびっくりしてしまった。 元々はまりさ種を飼っていたのだが・・・・・・驚かせて、悔しかったら私を驚かせてみなと挑発したの結果なのだろうか。 "ゆっくりみま"、と言うらしいゆっくりになってしまった(本人がみまと名乗った)。 帽子もとんがり帽子となり、透明ケースをすり抜けられるようにまでなってしまった。うーん。 「今日は油断してしまったな、こいつは一本取られたよ」 「ふふ、でもまだまだおどろかせたりないからねぇ、だんだんといままでのぶんかえさせてもらうよ」 「言ってな、次はそう簡単に驚かないさ」 まぁ、こんな面白いゆっくりが出来るとは思わなかった。 「おにーさん、もっとじゅぎょうしてくれるの?」 綺麗に整頓した本にトランプ兵隊のミニチュア等を置いたケースから優しい声が聞こえてくる。 「ありす、今は授業の時間じゃないからね」 「ざんねん」 「大丈夫、ありすはいつも全力で頑張ってくれるじゃないか」 「えへへ、おにーさんありがと」 まりさは勉強を自主的にさせたのに対し、ありすには自分でみっちりと教え込む形にした。 レイパーになる危険性のある種だけに、細心の注意をしただけ、のはずだったのだが。 カチューシャがいつのまにか青色のリボンに変わり、心なしかサイズも小さめになっている。 すぐそばにはお気に入りの本が1冊あり、いつも持ち運んでいる。 「いざというときにぜんりょくでがんばれるようにならなきゃ」 「きっとありすならなれるさ、保障するよ」 「ありがとおにーさん」 レイパーとは似ても似つかないその姿に、正直ちょっと感動してしまった自分がいる。 いい子に育ってくれるだろうと思いつつ、次の部屋に足を運んだ。 「おお、お兄さんではないか」 畳に掛け軸、いかにも和風な部屋。 どうにかしてぺにすぺにすちーんぽなのを何とか喋らせようと頑張ってみた。 ついでに剣術も面白半分で覚えさせてみた所。 「本当に変わったなぁ」 「なに、昔は若気の至りが過ぎたんじゃよ、しかし殆どの者がああだとは嘆かわしい」 立派な髭を生やし、貫禄も十分。 縁側で一緒にお茶を飲むとすごくゆっくりできそうである。 "ゆっくりようき"だそうだ。 「こうして育ててくれた事には感謝しておる」 「まぁ、飼うと決めたからなぁ」 「あの姿のまま一生を送るなど、今の私には考えられぬ。本当に御主人様にはここまでして頂いた恩義をいつか返さねば」 まぁ、何と言うか。 凄く穏やかでゆっくりしているとはこういうのをいうのだろうか。 しかし私より貫禄あるかもしれないような姿になるとは思いもしなかった・・・・・・ ともあれ。 どうやら私の育てたゆっくりは『進化』したらしい。 もしくは『変異』したのだろうか? しかも野生のゆっくりに対し立ち向かったりする位だ。 ひょっとしたら昨今の被害に対するいい対抗策になるかもしれない。 ここまで立派に育ったんだ、試しにこの6人を顔合わせした後、わざと家の玄関を開けて外出しよう。 帰ってきた時が楽しみだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あとがき ゆっくりがずっとあのままの姿でしかも主にいる面々だけ…とは限らないかなと。 何らかの要因で姿が変わる事くらいあってもいいんじゃないかなと思いました。 今まで書いたもの 博麗神社にて。 炎のゆっくり このSSに感想を付ける
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幻想卿の夏祭り 人間の里では毎年この時期になると夏祭りが行われる。 夜、村の大通りには沢山の屋台が並ぶ。 焼きそば、わたあめといった食べ物をだすお店、 射的や輪投げ、金魚すくいといった遊べるものを出すお店、 その日は、他の里や離れた場所からも多くの人が訪れ、里は大いに賑わう。 しかし今年の出し物は例年とは少し違うものだった。 幻想卿に訪れた小さな変化、ゆっくり饅頭が現れ人々の暮らしぶりは少し変わっていた。 「ゆっくりの踊り焼き」暖簾にそう書かれた屋台が立っている。 屋台には大きな鉄板が一枚、店主はお好み焼きを焼くようなヘラを持っている。 「へいらっしゃい!」 「おぢさん、ゆっくり焼きひとつちょうだい!」 「はい、よろこんでー!」 店主は屋台の裏手に置いてあった箱のふたを開け中から野球ボールほどのゆっくりれいむを一匹取り出す。 「ゆっ!?」 後頭部をつままれ持ち上げられたれいむは、何が起きたのか判らずに驚きの声を上げる。 「ゆっ!?ゆっ!?」 体を振りあたりを見回そうとするれいむ、良くは判らないが自分が空中に浮いていて背中を何かにつままれ動けない事だけは判った。 「は、はなしてね!れいむはゆっくりおかしをたべてるよ!!」 何かに向かって話しかける。 屋台の裏手に置いてあった箱には沢山のゆっくりとお菓子が入っていた。 つままれているれいむも、そのお菓子を食べてゆっくりしている所だった。 「おじさん、それどうするの?」 「それはね、こうするんだよ。」 れいむは希望通り開放されスーと下に落ちていく。 「ゆー、ありg・・・!!!」 ポトン、ジュウウウ・・・ 「あ”あ”あ”あ”!!!あ”ち”ぃ”ぃ”ぃ”い”い”よ”お”お”お”お”」 熱く熱せられた鉄板の上でれいむが踊る。 「ゆ”う”う”う”う”!!ち”ぬ”!ち”ん”し”ゃ”う”!!!」 熱さから逃れようと鉄板の上をピョンピョンはね回るれいむ、 とにかく鉄板の上から出ようと一直線に外を目指すがあと少しの所で鉄ベラが立ちふさがる。 「ゆ”き”ゅ”う”ぅ”ぅ”」 突然現れた壁に顔から突っ込んでしまうれいむ、そして鉄板の中央に向かって弾かれる。 ペシッ!ジュウジュウジュウ・・・ コロコロと転がってまだ焼けていない所が鉄板に振れるたびジュウジュウといい音がしてやけめが付いていく。 「や”め”て”よ”ぉ”お”お”!ゆ”っ”く”り”さ”せ”て”え”え”え”え”!!!」 鉄ベラに弾かれながらも必死に外を目指そうとするれいむ。 「ゆ”う”う”う”う”う”う”」 「や”へ”っ”!や”へ”て”え”え”え”え”え”え”」 「ち”に”た”い”く”な”い”の”!お”う”ち”か”え”し”て”え”え”え”!!」 れいむは抵抗する力を無くすと、熱に身を任せ鉄板の中央で短く鳴くだけになった。 「ゆ”ぅ”・・・ゆ”ぅ”・・・ゆ”ぅ”・・・ゆ”ぅ”・・・。」 「おじさん!おもしろいね!」 「そうだろう?ここからが仕上げだよ。」 そういうと店主は鉄ベラでれいむを平らに潰す様に押さえつける。 「ゆ”?ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”!!!」 ジュウーと焼ける音と連動するようれいむは声を挙げた。 押さえつけたまま良く焼いてから、慣れた手つきでひっくり返す。 ジュウー、表の面も同じように良く焼く。 「っ”っ”っ”っ”っ”っ”っ”っ”っ”っ”!!!」 れいむは声を上げられずに、ただブルブルと体を揺らすだけ。 十分に焼いたところでもう一度引っくり返す。 「はい、できあがり!」 「おー」 れいむは平べったく固まったまま焼き上がり、店主はそれをすくって紙に包む。 「おまちどうさま」 「ありがとう!おじさん!」 ゆっくり焼きを受け取った少年は、その食べ物をマジマジと見つめる。 れいむと目が合う。ゆっくりは中の餡を失わない限りそう簡単には死なない。 おいしく焼きあがった後も意識はハッキリとしていた。 「いただきまーす。あーん」 少年はゆっくり焼きを口に運んでいく。 「・・・や・・・や”へ”て”ぇ・・・。」 力なく命乞いするれいむ、しかし良く焼けた口は思い通りに動かない。 1噛み。 「あっ!熱っい!」 余りの熱さに思わず口を離す。れいむの噛まれた部分には歯型が付いていた。 「ははは、できたてほやほやだからね。すこし冷ましたほうがいいよ。」 そういわれると少年はフーフーとれいむに息を掛けて覚まそうとする。 「・・・ゆ?・・・たすけてくれるの?」 フーフーと息を掛ける。食べごろはそれが教えてくれる。 「・・・すずしくなってきたよ・・・つぎはおみずをもってきてね!」 アーン 「ゆ?」 パクリ 「ッ!!」 れいむの体に激痛がはしる。痛みのまま悲鳴をあげる。 しかし、れいむからは悲鳴はあがらず、かわりに少年の口が悲鳴を上げる。 「い”い”い”い”い”た”た”た”あ”あ”あ”あ”あ”あ”い”い”い”い”い”い”。」 一口で丸ごと持っていかれたれいむの口が少年の中で悲鳴をあげる。 「や”め”て”え”え”え”え”!か”ま”な”い”て”え”え”え”え”え”え”。」 「ハフハフ、おじさん口の中でなんかうごくよ!」 「おもしろいだろ?それを踊り食いって言うんだよ」 「あとは目玉の部分がおいしいんだよ。噛むと中から甘酸っぱいシロップが出てくるからね」 「おーい、山田ー!こっちこいよ!」 遠くで少年を呼ぶ声がする、少年は呼ばれたのを聞くと友達のもとに走っていった。 「あ!・・・しまったな。」 「御代をもらい忘れたな。あっはっはっは!」 その年の祭りも例年通り大いに盛り上がった。
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※お兄さんが一番餡子脳 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅちちていっちぇね!」 狭いケースの中に響き渡るスピーカーから流れ出した音声 それに律儀に返事をするのはケースに閉じ込められた赤いリボンの1匹の赤ゆっくり 彼女の名前はゆっくりれいむ。正確には彼女の種族はゆっくりれいむか ゆっくりと呼ばれる下膨れ生首型餡子生命体の中では極めてオーソドックスな存在である 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅちちていっちぇね!」 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっきゅちちていっちぇね!」 スピーカーからその音声が聞こえてくるのは常に3回 れいむは本能の命ずるままに毎回ちゃんと笑顔で返事をする 直後、床の一角が開き、そこから少量のゆっくりフードと水がせり出してきた 「むーちゃむーちゃ・・・ふしあわちぇー」 しかし、ゆっくりフードは無味乾燥な上に水も少々苦い 何とか生命を維持できる最低限度のものでしかないこんな食事で満足できるはずも無かった 「ゆぅ・・・ゆっきゅちちたいよぉ・・・」 ご飯を食べ終えたれいむは俯き、涙をこぼした その後もいつもと同じ全然ゆっくりできない一日を過ごした お店が開いたら上っ面だけの笑顔を浮かべて、やってきたお客さんに精一杯愛想を振りまく 全然美味しくない昼食と夕食を食べて、閉店後は1匹の子ゆっくりが人間さんとゆっくりしている映画を視聴する 「ゆぅ・・・れいみゅもゆっきゅちちちゃいよぉ・・・」 子れいむが飼い主の男性と外でボール遊びしている姿を見ていると、思わずそう呟いてしまった ブラウン管の中で笑顔を浮かべる子れいむは心の底からゆっくりしているように見えた ある日、れいむは必死に愛想を振りまいた甲斐あって、ある男性に飼われる事になった 彼はれいむを見て優しそうに微笑んでくれた 「やっちゃあ!こりぇでゆっきゅちできりゅよ!」 れいむは幸福に満ちた暮らしに思いをはせて、喜びのあまりに思わず飛び跳ねて天井に頭をぶつけた 「やめちぇ!やめちぇね!いちゃいよおおおお!?」 ある日、れいむは飼い主から厳しい折檻を受けていた 理由は飼い主のお茶碗に体当たりをして、その拍子にお茶碗が割れてしまったから 当然、ゆっくりと割れ物をテーブルの上に置いた飼い主にも非はある しかし、ゆっくりを教育する上でそのような理由で譲歩する必要は無い 「れいむ、お前はどうして怒られているんだ?」 そう言って飼い主の男性はれいむの底部、もとい“あんよ”をプラスチック定規で打ち据える れいむはその痛みから逃れようとするが、輪ゴムで別の定規にうつ伏せに固定されているのでそれも叶わない 「わかりゃにゃいよおおおお!れいみゅ、にゃにもちてにゃいよ!」 「いいやしたよ。お前は俺のお茶碗を割った」 そう言って飼い主は泣きじゃくるれいむに一部の欠けてしまったお茶碗を見せた そして、「お店でもそう教えられたはずだろ?」と眉間にしわを寄せて再びあんよを叩く 「ちらにゃい!れーみゅ、ちらにゃいいいい!?」 が、れいむは自分の非を一切認めようとはしない 念のため言っておくと、これは別にれいむがゲスだと言うわけではない 割れたのがれいむの目の前ではなく、テーブルの下だったことがまず理由として考えられる つまり、れいむが落とした、落としたから割れた。ゆえにれいむが割ったという論法がれいむの中で成立しないのだ 「やめちぇね!ごめんなちゃいしゅるかりゃ、もうゆっきゅちさせちぇね!?」 だきゃらやめちぇね!というれいむの要求が飼い主を更に怒らせてしまった 動物のしつけは大抵「~すると叩かれる」という単純なパターンを理解させること 今後、れいむは恐らくお茶碗に近づかないようにするだろうからしつけとしては十分である 「ゆっくりしたいから謝るんじゃ駄目だろ。悪い事をしたからお仕置きされているんだよ?」 しかし不運にもゆっくりは人語を喋り、人語を解してしまう そのせいか、こういった訴えが反省していない証拠と捉えられいっそう厳しいお仕置きを受ける事が多々ある 人間の価値観を押し付けてしまうために、ゆっくりの思考能力や判断の基準を無視してしまうのだ 「ちゃんとペットショップでもそう教えられているはずだよ?」 「ちらにゃいよ!れーみゅ、おはなしゃんわっちぇにゃいよ!?」 「訳の分からない事を言わない!」 飼い主はいっそう力強くれいむのあんよを叩いた が、れいむの言っている事はれいむにとってはそれなりに意味のあることである “おはなさん”とはペットショップで見た子れいむが割ってしまったお茶碗の柄の事なのだ ゆっくりはお茶碗に何の価値も見出せないが、お花はとってゆっくり出来るもの だから、店で子れいむが叱られている映像を見たとき、「おはなさんをこわしたのがわるい」と認識したのだろう 「ご、ごめんなぢゃいいいい!れーみゅがわりゅかっちゃよ!だきゃら、ゆっぐ・・・ぼう、やめぢぇえ・・・」 「仕方ないな。もう許してやるから、今度はお茶碗を割るんじゃないぞ?」 「ゆっぐ・・・ゆひぃ・・・ゆっぐぢぃ・・・」 その後もれいむはガラスのコップなど、手を変え、品を変えて、色んな物を割ってはその度に折檻を受けた 酷いときには、あんよが真っ赤にはれてしばらく跳ねる事が出来ないことえあった 「もうやじゃぁ・・・れーみゅ、てーぶりゅしゃんきりゃいだよ!」 れいむにとっては理不尽極まりない折檻は、れいむがテーブル嫌いになるその日まで頻繁に繰り返された もっとも、テーブル嫌いになったその日もそれが原因で折檻を受ける事になったのだが・・・ 「やめちぇね!いちゃい!いちゃいよ!?」 ある日、またしても折檻を受けた 理由は彼に「お友達が欲しい」とわがままを言ったから 男性はいつものように定規でれいむのあんよを叩きながら呟く 「わがままは駄目って教えられなかったのか?」 もちろん、れいむだってそんな事は知っていたし、だからお菓子をよこせなどと言った事はない なら、どうしてれいむが友達が欲しいなどと口にしたのか 理由はこれまたペットショップでしつけ用に何度も見せられていた映像にあった 「だっぢぇ、おとみょだちはゆっきゅちできりゅっちぇ・・・」 「言い訳しない!」 その理由を言おうとした瞬間、思いっきりあんよを叩かれる しつけ用の映像の子れいむは途中から子まりさと一緒に飼われ、いつも2匹で遊んでいた だから、映像で見た怒られることをしてはいけないのが当然であるのと同様に、お友達は無条件に与えられるはずだと思っていたのだ 「だっぢぇ、れいみゅ・・・ゆひっ・・・!」 「わがまま言うな。俺には2匹目を飼う余裕はない」 なのに、男性はもう一匹のゆっくりを飼う事はおろか、公園などのれいむを連れて行くことさえしなかった 公園に行くにしても彼にはそのような時間的余裕も、ペットに手間をかけるつもりも無かった そういったゆっくりを安価で一時的に預かってくれる施設もあるのだが、彼はそういった施設の存在を知らない 「ゆえーん、どうぢぢぇ・・・れーみゅ、いいきょに、ゆっぐ・・・」 「良い子はそんなわがまま言わないよ」 「ゆあ゛っ!・・・ゆぴぃ!」 あるいは近所のゆっくりを飼っている人に預かってもらうと言う手もあるのだが、彼にはそんなネットワークも無い 元々あまり外交的な人ではないのだろう。だからゆっくりを飼おうと考えた、飼い主の男性はそういう人物なのだ だから、人間はおろかそれ以外の相手に対しても想像力が働かず、れいむの気持ちを汲み取る事ができない 「それに、いつもちゃんと遊んでやってるだろ?」 「ゆっぐ・・・でみょぉ・・・」 「デモもストもクーデターも無いだろ」 そう言いながら、何度も何度もれいむのあんよを定規で殴打する 彼の言う事は間違ってはいない。確かに彼は仕事から帰ってくるとれいむが起きていればかならず遊び相手になっていた しかし、そもそもゆっくりと人間では全く別物であり、人間はゆっくりの代わりにはなれない また、飼い主への気兼ねや、何かの拍子に怒らせたら・・・という不安のせいで、彼が思っているほどにれいむはゆっくり出来ていなかった 「ゆひぃ・・・ご、ごめんなちゃい!れーみゅがわりゅかっちゃよ!ゆっぎゅぢあやまりゅよ!」 「分かったならよろしい」 こうして、れいむは結局友達を紹介してもらう事も、お外に連れて行ってもらうことも叶わなかった そして、ゆっくり出来ない思いばかりを募らせながら、家の中だけの世界でゆっくりと成長していった しかし、お外にでて友達を作りたいと言うこの願望は後に予期せぬ形で実現する事になる 「ゆゆっ!とびらさんがあいてるよ?」 3ヵ月後、れいむはもう成体サイズと言っても差し支えないほどの大きさになっていた 用事で出かけた飼い主がドアを閉め忘れている事に気がつき、つい出来心で外に出て行った 障害物を避けながら進んでゆくと急に視界が開け、人間やゆっくり、その他の動物が行きかう通りに出た 「すごいよ、すごくたくさんだよ!」 「ゆゆっ!なんだかとってもゆっくりしたれいむだよ!」 「ゆぅ?」 初めての外に浮かれるれいむに声をかけたのは1匹の野良まりさ 恐らく、れいむの魅力に惹かれて思わず声をかけてしまったのだろう 飼いゆっくりは健康管理やケアが行き届いているので野良の目には大抵美ゆっくりに映る 「ゆっくりしていってね!まりさはまりさだよ!」 「ゆっくりしていってね!れいむはれいむだよ!」 お約束の挨拶を交わす2匹 まりさにとっては本当に何気ない挨拶だが、れいむにとっては産まれて始めての他のゆっくりとの挨拶 そのあまりのゆっくり出来る感覚に思わず涙がこぼれる 「ゆっぐ・・・ゆぅ・・・」 「ゆゆっ!?どうしたの、れいむ?ゆっくりしてね?」 「ぢがうよ!でいむ、ゆっぐぢぢでるよ!・・・ゆっぐ」 そうは言うものの、れいむの意思とは無関係に涙は溢れ出してくる もちろん、嬉しさの余りに感極まっての落涙だ それに気付かないまりさはれいむの目の前でおろおろと右往左往しながら、れいむが泣き止むまで 「れいむ、ゆっくりしてね?」 「ゆっくりしてよー」 「ゆっくりだよ!」 と、頬ずりをしたり、顔を舐めたりしながら彼女を慰め続けた 「まりさ、ゆっくりありがとう!」 「れいむ、ゆっくりしてる?」 「とってもゆっくりしてるよ!」 やがて、何とか涙の収まったれいむはまりさに満面の笑みを浮かべて感謝を口の言葉にする 飼いゆっくり故の美貌をもってこんな事を言われたまりさはもうれいむに首っ丈 「れれれ、れいむ!まっ、まりさとずっといっしょにゆっくりしてね!」 はやる気持ちを抑えることができず、まりさはれいむに求婚した 初めて会ったゆっくりにいきなり求婚を受けたれいむはしばらく呆けていたが、やがて嬉しそうに飛び跳ねて 「れいむもまりさとずっとゆっくりしたいよ!」 「やったぁ!これでゆっくりできるよ!ずっといっしょにゆっくりしようね!」 と、あまり彼女の言葉の意味も理解せずにプロポーズに応えた そして、まりさはれいむと一緒に男性の家に入り、そこで初めてのすっきりーを行った もちろん、れいむも初すっきりーで、2匹とも至らぬところはあったが・・・ 「「すっきりー!」」 「ゆゆっ!まりさ、あかちゃんだよ!」 「ほんとうだね!とってもゆっくりしたあかちゃんだね!」 無事、すっきりーする事ができ、れいむはまりさの子どもを額に生えた茎に宿した 「なんだ、こいつは?」 「おかえり、おにーさん!まりさはれいむのだーりんだよ!」 「ゆっくりしていってね!まりさはまりさだよ!」 その後、帰ってきた飼い主の男性に挨拶を済ませ、まりさは正式にれいむのだーりんとなった 飼い主の男性は思いのほかあっさりとまりさの同棲を認めてくれ、にんっしんっの事も素直に祝福してくれた 「ふっひっひ・・・俺達は怖い怖い泥棒さんだ!」 「お金を盗みにやってきたぞ!おや、こんなところに可愛いゆっくりが!?」 「「ゆゆっ!?」」 翌日、2匹が明るい未来に思いを馳せながらお喋りに興じていると、突然妙な男達がやってきた しかし、この家で一番強い飼い主の男性は現在外出中で、家にはまりさと身重のれいむしかいない 「だめだよ!おかねさんとったらおにーさんがゆっくりできないよ!」 「ここはまりさたちのおうちだよ!ゆっくりでていってね!ぷくぅぅぅううう!」 2匹はそれでも一生懸命泥棒2人組を説得、あるいは恫喝して追い払おうと試みる が、人間相手にそんなもの何の効果もあるはずがない 「おやおや、おうち宣言とはゲスまりさがいるぞ?」 「それにこのれいむ頭に子どもを生やしてるぞ?」 「「なんかむかつくなー」」 えらい棒読みで喋る2人は手際良くまりさを捕まえると、いつの間にか取り出した透明の箱に放り込んだ まりさの身動きを封じると、れいむを両頬を押さえつけるように捕まえて、一人の膝の上に乗せる それと並行してもう一人はえらく巨大な半田ごての準備を始めていた 「おやー、相棒。それは何かなー?」 「これは去勢用の器具だ。これを使われたゆっくりは二度とにんっしんっ出来なくなるんだ」 「それをこのれいむに使うつもりなんだな。おお、怖い怖い」 酷い説明口調でその太めの半田ごての使用方法を説明するとれいむとまりさの顔が真っ青になった ゆっくりにとって赤ちゃんを作る事は至上の喜びだと言われており、レイパーの子でも育てる事からこれは周知の事実である もっともにんっしんっしたゆっくりの中である種の餡内麻薬が分泌され、それによる錯覚だとも言われているが とは言え、どのような理由があったとしても当人達にとっては子は宝であり、それ以外の何者でもないのだ 「ゆゆっ、やめてね!あかちゃんをゆっくりさせてあげてね!?」 「んー・・・どうしようかなー?そうだ、まりさに聞いてみよう!」 れいむの懇願を聞いた泥棒の一人は突然まりさの方に振り返り、彼女に話しかけた 「れいむはああ言ってるけどさ。まりさちゃんはどうよ?」 「ゆゆっ!そんなの・・・「まだ喋るな!」 れいむにも聞こえるような大声でこれ見よがしにまりさに話しかける泥棒 しかし、突然小声で喋り始めた 「もし、れいむと赤ちゃんを助けて欲しいなら俺の言うとおりにしろ」 「・・・・・・ゆぅ」 「俺が次にお前に話しかけたときにれいむに向かって『まりさは人間さんに飼われたかっただけだよ!れいむと赤ちゃんは勝手に死んでね』って言うんだ」 「ゆっ!いや「断ったら全員死ぬだけだぞ?」 「ゆ、ゆっくりりかいしたよ・・・」 まりさの返事を聞いた男はれいむにも聞こえるように再び大声で話し始める 「さあ、まりさちゃん!君はれいむと赤ちゃんを見殺しにしてでも生き延びたいよね!」 「ゆゆっ!なにいってるの!まりさはれいむのだーりんなんだよ!?」 そう言って男の言葉に抗議するれいむだが、彼の背中が邪魔でまりさの顔を伺うことが出来ない それゆえに、わずかばかりの不安を覚えながら、まりさに話しかけようとするが・・・ 「まりさはにんげんさんにかわれたかっただけだよ!れいむとあかちゃんはかってにしんでね!」 「ゆがーん!?どほぢでぞんなごどいうのおおおお!?」 れいむの期待を完全に裏切る非常で無常な言葉がまりさの口から放たれた その直後、れいむを取り押さえていた方の男が彼女の額の茎を乱暴に引き抜いて、もう一人の男に投げ渡す それを受け取った男はまりさの額に乱暴に穴を開けると、そこに茎をねじ込んだ 「ゆぎぃ!?」 「そんなこと言うゲスにはこれくらいの制裁は必要だよねー。俺は別の部屋でも物色するかー」 「ああ、そうだなー。さあて、俺は今から去勢するぞー」 もう一人の男が部屋を後にするのを見届けた男はそう言いながらいつの間にやら熱しておいた半田ごてをれいむの額にねじ込んだ 瞬間、れいむは目を大きく見開く 全身から脂汗のようなものをだあだらと流しながら、必死になって男の腕から抜け出そうともがく 「い゛ぎぃ!?ゆびぃ・・・!ゆ゛ゆ゛っ!!」 「はっはっは・・・無駄無駄無駄」 しかし、男の手から逃れられるはずもなく、瞬く間に室内に皮や餡子の焼けた匂いが充満する 数十秒後、ようやく男が半田ごてを抜いたときにはれいむは力泣く震えながら嗚咽を漏らす事しかできなかった そんなれいむを気遣ってか、男はれいむの額にどこから取り出したゆっくりの皮を貼り付けた上で、オレンジジュースを浴びせた 「ゆっぐ・・・ぼう、やべでぇ・・・ゆっぐぢぃ・・・」 「残念だが、まだひとつ残っている」 そう言うが早いか、今度は下あご付近に半田ごてをねじ込まれるれいむ そこはぺにまむと呼ばれる器官の存在する部位で、ここを焼かれてしまうと胎生での出産ができなくなる 男の意図に気づいたれいむはオレンジジュースのおかげで幾分か回復した体力を振り絞って抵抗する が、最初の時点で敵わなかった相手に敵うはずもなく・・・ 「やべでぇえええええ!?あがぢゃんうべなぐなっぢゃうううう!?」 「そのためにやってるんだよー。ふっひっひ」 こうして、にんっしんっ出来なくなったれいむに先ほどと同じような治療を施すと男はそそくさと部屋を後にした 2人の男がれいむのつがいのまりさを連れて男性の家から出ると、目の前に家の主の姿があった 彼の姿を認めたまりさは安堵の笑みを浮かべ、彼に向かって叫ぶ 「ゆゆっ、おにーさん!このひとたち、わるいにんげんさんだよ!」 「ふーん、そうか」 「ふぅ、去勢作業と居ついた野良の駆除、終わりましたよ」 「ありがとうございます」 が、男性は泥棒2人に感謝の言葉を口にすると、懐からお金を取り出して彼らに手渡した まりさはわけがわからないといった様子で首を傾げるが、直後の彼らのやり取りで全てを理解することになった 「いやぁ、れいむがいれば十分だったんで助かりましたよ」 「勝手に子どもやつがいを作られると飼い主としては面倒ですからねぇ」 「ところで、そのまりさはどうされるんですか?」 「こいつですか?こいつは飼いゆっくりに手を出した害ゆとしてしかるべき場所で社会貢献してもらいます」 男たちが出て行ってから数分後、悲嘆にくれるれいむだけの家に飼い主の男性の声が響いた 「ただいまー・・・れいむ、どうしたんだ?!」 「ゆっぐ・・・お、おに゛ぃざあん・・・でいむ、あがぢゃんうべなぐなっぢゃだよぉ・・・」 「どういうことだ?それに、まりさもいないな?」 「まりざぁ・・・ゆわああああああああああああああああああん!?おにいいざあああああん!?」 れいむは男性に飛びついて気が済むまで泣き、それから全ての事情を説明した せっかく、赤ちゃんが出来たのに、お兄さんにも赤ちゃんを見せてあげたかったのに・・・ そう言ってめそめそと泣くれいむの頭を男性は優しく撫で・・・ 「気にするな。どんなになってもれいむはれいむだし、何よりれいむが無事で良かった」 そう言いながら優しく微笑んだ この日以来、れいむはまりさと違ってどんなになっても自分を受け入れてくれる飼い主に全幅の信頼を置くようになった 悪いゆっくりのいる外に出ることも、外に行きたいとわがままを言うこともなく、毎日家の中で男性の帰りを待つ そして、帰ってきた男性に思う存分甘える 彼に嫌われないためにも悪いことは絶対にしない こうして、れいむはペットショップで見せられた映像の中のれいむにも勝るとも劣らない幸せを手に入れた ---あとがき--- たとえ飼い主が虐待愛好家じゃなくても無知で身勝手だったり、 ゆっくりに対して変な勘違いや幻想を持っていたり、 過剰に厳しかったりするとゆっくり出来ないんだろうなぁ・・・ このれいむの今わの際の言葉はきっと「もっとゆっくりしたかったよ」だろう byゆっくりボールマン このSSに感想をつける
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「ゆゆっ!おにーしゃん!ちゅいにじぇんぶそろったね!」 「ああ・・・そうだな、長い旅だった。でもこれで旅も終わりか・・・」 「これでまりしゃたちのおきゃーしゃんがいきかえりゅんだね!」 「うっう~♪まりさたち、おめでとうだど~!」 「これでゆっくりできるのね!」 「ちーんっぽ!」 「おねがいがかなうんだねー。わかるよー」 「むきゅ!でんせつのゆっくりぼーる・・・きょうみぶかいわ!どすもそうおもうでしょ?」 「そうだね、ぱちゅりー!でもまりさはみんながゆっくり出来れば何でもいいよ!」 何も無い荒涼とした大地。 そこに人目を避けるようにして集った9つの影。 1つは人間のものだ。中肉中背の男性が、じっと足元に置かれた7つの珠を見つめている。 その珠はゆっくりボールと呼ばれ、全て集めたものの願いを一つだけかなえてくれるといわれている。 他の8つの影は全員ゆっくりと呼ばれる下膨れの生首饅頭だった。 常時薄ら笑いを浮かべているように見える顔立ち。妙に不快感のある声。落ち着きの無い性格に、何故か喋れるが思考能力の伴わない半端な知性。 そのどれもがどこか嗜虐心をそそる不思議な生物?がずらりと並んでいた。 赤ちゃんゆっくりれいむ、赤ちゃんゆっくりまりさ、ゆっくりれみりゃ、ゆっくりちぇん、ゆっくりみょん、ゆっくりありす、ゆっくりぱちゅりー、そしてドスまりさ。 男性も含めて、皆力を合わせてゆっくりボールを集めた仲間同士だった。 「さて、行くぞ・・・」 男性が神妙な声で合図を送るとゆっくり達は一斉に静まり返った。 「出でよ!シェンみょん!!」 その言葉がつむがれた瞬間、男性が見つめていた7つの珠が強烈な輝きを放つ。 珠を中心に風が起こり、巻き上げられた砂や木の葉がくるくると渦巻いている。 およそ5秒ほどそうやって瞬いていた珠が更に強い光を放った直後、珠からゆっくりみょんが出現した。 そのゆっくりみょんは非常に巨大で、体高はゆうに20mを超え、人知を超えた不可思議な力で宙に浮いている。 『ゆゆっ!みょんを呼んだのは君達なんだね!ゆっくりお願いをしてね!』 「さあ、れいむ、まりさ!はやくおねがいをしなさい!」 「ゆゆっ、ほんとうにれいむたちのおねがいでいいの?」 「あたりまえだど~♪」 「そのためにぱちゅりーたちはたびをつづけてきたのよ!」 「早くおかーさんを生き返らせてみんなでゆっくりしようね!」 「み、みんな・・・ありがとう!」 『ゆっくりしないでお願いしてね!お外じゃゆっくり出来ないよ!』 「ゆゆっ、ゆっくりりかいしたよ!それじゃあ、れいみゅのおきゃー「ギャルのパンティーをおくれ!」 赤ちゃんれいむがみんなに背中を押され、シェンみょんに急かされてお願いを言おうとしたとき、男性の変なお願いにさえぎられた。 『ゆっくり理解したよ!みょんはもうおうちに帰るね!』 シェンみょんがきっちりとその意味のわからない願いを叶え、パンティーがひらひらと地面に落ちるのを見届けると再び珠の中に戻っていった。 「どほぢでぞんなごどいうのおおおおおおお!?」 「おにいざんのばがあああああああ!?」 「いやぁ・・・ごめんごめん、何かついうっかり・・・」 「ちーっんぽ!!」 「うっかりじゃないわよ!またゆっくりぼーるをあつめなおさないといけないのよ!」 「次は気をつけてよね、おにーさん!」 総すかんを食らっている男性が、きまりの悪そうな表情でボールのあったほうに目をやると、ボールはゆっくりと四方八方に転がって移動していた。 そして、それらはあまりにゆっくりで、まだ2mほどしか移動していない。 その光景を見た男性はふとした思い付きでさっきの呪文を再び口にした。 「出でよ!シェンみょん!」 『どほぢでまた呼ぶのおおおおお!?これじゃゆっくり出来ないでしょおおおおおお!!』 予想通り、機嫌を損ねているがシェンみょんはきっちり呼び出しに応じてくれた。 ゆっくり達が予想外の展開に呆然としている中、男性だけが満足げな笑みを浮かべて何かを思案していた。 「・・・8匹と一人だから・・・よし!これだな!」 『ゆっくり早くしてね!お外じゃゆっくり出来ないんだよ!』 「わかったよ!じゃあ、お願いだ。次からは願い事を9つ叶えてくれ!」 『ゆぐぅ!?そんなの無「無理ならずっとゆっくりさせないぞ!」 シェンみょんは却下しようとするが、男性に脅される格好でしぶしぶそれを承諾すると、ボールの中へと戻っていった。 「これで皆の分のお願いが出来るぜ?」 男性はそう言って仲間達に微笑んで見せた。 「出でよ、シェンみょん!!」 『もおやべでええええええ!?みょんがゆっぐぢ出来ないよおおおおおおお!!』 「まず一つ目のお願いだ!」 お兄さんはシェンみょんの抗議を聞き流してさっさと願い事を要求する。 「まずはれいむとまりさのお母さんを生き返らせてくれ!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 シェンみょんの掛け声と同時に現れた光の中から、れいむとまりさの夫婦が現れる。 「「ゆゆっ?ここはどこ?」」 突然の事態に夫婦は困惑していたが、れいむ達の姿を見ると2匹とも一目散に駆け寄ってきた 「「れ、れいむ!まりさ!どうしてここにいるの!?」」 「あにょね!れいみゅたちがおきゃーしゃんたちをいきかえらちぇたんだよ!」 「まりしゃたちおきゃーしゃんにあいたかったんだよ・・・ゆっぐ・・・」 こうして4匹は感動の再会を果たした。 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 空気の読めないシェンみょんに促されて、男性は次のお願いを考えた。 「次にここにいる皆を不老不死にしてくれ!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 「ゆ?おにーさん、ふろーふしってなぁに?」 「ずっとゆっくり出来るってことだよ」 「「「ゆゆっ!さすがおにーさんだね、すごいや!」」」 その言葉に無邪気に喜び、飛び跳ねるゆっくり達。 その表情から永遠の生の恐ろしさなど全く想像していないことが伺える。 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 「それから、ぱちゅりーをもっと病弱にしてくれ!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 「むきゅー!?なんでぞんなごぐほっ!がほぉ!?げっふぅ!!?」 その瞬間、少し声を張り上げただけなのにぱちゅりーが中身を吐き出した。 「「「「「ぱちゅりー!?」」」」」 「あー、こりゃ致死量吐いたな・・・」 「ぎゅ~・・・ぎぼぢわるい、ぐるぢいのにぜんぜんぢなないわ・・・」 「ってことは本当に不老不死になったのか、すげえな」 「「「おにーさん、どういうことなの!?」」」 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 「ああ言ってるから説明は後だ」 「ドスまりさは赤ちゃん並の体力にしてくれ!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 「ゆゆっ!?おにーさんなにいいだすの!?」 「しゃら~っぷ!」 男性がドスまりさに蹴りを見舞うとドスまりさにはそれなりの重さがあるにもかかわらずあっけなく吹っ飛んだ。 「ゆげぇ!?いだい、いだいよおおおおおおお!?」 「おお、本当に弱くなってる」 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 同族?が酷い目に遭っているというのにシェンみょんは自分がゆっくりすることしか眼中にないらしくまたしても急かしてきた。 「れみりゃを絶世の不細工にしてくれ!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 「うーっ!?なんでぞんなおねがいずるんだどーっ!?」 そう言って抗議するれみりゃの顔に特に変わった様子は見られなかった。 「ゆゆっ!?れみりゃ、ぎぼぢわるいがらこっちむかないでね!」 「ゆげぇ・・・こんなにきもちわるいのはじめてだよ!」 「ゆゆっ、なんていなかものなの!?いなかものにしつれいなくらいいなかものだわ!」 「うううううううう!?でびりゃはがわいいいどおおおおおお!!」 どうやらゆっくりには違いがわかるらしい。 「・・・・・・ごめん、何が変わったのかお兄さんにはさっぱりだわ」 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 「ありすを永久にすっきり出来ない体質にしてくれ!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 「ゆっ!?すっきりできないってどういうこと!?」 突然の指名に驚き、ありすは男性をねめつけるが彼はそんなこと意にも介さず、主無理鬼ありすに振動を与え始めた。 「つまり・・・こういうことさ!」 激しい揺さぶりがありすを瞬く間に快楽の世界へ誘う。 「ゆっ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」 その揺さビルはどんどん激しくなっていき、アリスはあっという間に絶頂寸前にまで達したが・・・ 「ゆううううううう!ずっぎりでぎないいいいいいいい!?」 「わかっただろ?イく一歩手前で永久にお預け食らわされてしまうのさ!」 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 「俺に大量の虐待道具をくれ!!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 すると空から大量の虐待道具が降り注いできた。 お約束の透明な箱から焼き土下座用の鉄板、果ては苦悶の梨なんかまで。 「おぉ~・・・本当にいっぱい降って来たなぁ・・・」 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 男性が感嘆しているとまたしてもシェンみょんが急かしてきた。 「こいつらが俺から逃げられないようにしてくれ!」 『ゆっくり理解したよ!ほあっ!!』 その瞬間、こっそり逃げ出していたまりさとれいむの一家が男性のほうに吸い寄せられるように戻ってきた。 『これでそこにいる子達はお兄さんから半径50mより外に出られなくなったよ!』 「しぇんみょん!どほぢでごんなごどずるのおおおお!?」 「しぇんみょんのばかあああああああ!!」 「ゆっぐりでぎないぢぇんみょんなんがゆっぐぢぢねええええええ!!」 どうやらゆっくり達は男性への罵倒を諦めて、標的をシェンみょんに変えたらしい。 『早くゆっくり次のお願いしてね!みょんゆっくり出来ないよ!!』 しかし、次のお願いをかなえればボールに戻れるシェンみょんはゆっくり達の罵倒を完全に聞き流している。 「シェンみょん、お前を虐待させてくれ!」 『ゆっくり理解した、よ・・・ゆぎいいいいいいい!!』 その言葉を聞いた直後、シェンみょんは体を持ち上げていた神秘の力を失い、どすんと大地に落下した。 「ふっふっふ、ずっとこの日のために我慢してきたんだ・・・ひゃあ、もう我慢できねぇ、虐待だぁ!!」 一箇所に固まっておびえるばかりのどうしようもなく無力なゆっくり達。 ドスまりさは赤ちゃん並の力になってしまった上に、シェンみょんも男性に虐待されるための存在になってしまった今、全くの無力。 そして、ここは人目のない荒野。 つまり、男性は誰にも邪魔されることなくゆっくりを虐待できるということだ。 「「「「「「「「「「『これじゃゆっくりできないよ!!』」」」」」」」」」」 何も無い荒野に無力なゆっくり達の悲鳴がこだました。 ‐‐‐あとがき?‐‐‐ ゆっくりは儚いからこそ虐め甲斐があるんだと思うんだ。 でも、永久に赤ちゃんのままのゆっくりは個人的にあり。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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ぱちゅりーの朝は、早い。 お日様も昇っていない時間、ぱちゅりーは、ゴミ捨て場を漁っていた。 目的は、本を発見し、持ち帰る事である。 お日様が出てくるような時間に漁っていては、すぐに人間に見つかってしまう。 そうなっては、ぱちゅりー程度では逃げる事は適わず、すぐ潰されてしまうだろう。だからこんな時間に活動するのだ。 「むきゅ~~~。きょうは、ごほんさんがおちてないわね……。」 がっくりと肩を落とす。ご本(新聞やチラシ)が今日は全く見当たらない。 ぱちゅりーは知らないが、今日は燃えないゴミの日である。 本当にご本を狙うならば、資源回収日か、燃えるゴミの日を狙うべきなのだ。 しょうがない、こんな日もある。ならば代わりに何か持って帰ろう。 2時間かけて、山にある群から、人のいる町まで跳ねてきたのだ。ただで帰るわけにはいかなかった。 辺りを見回していると、少し後を振り向いた辺りに、キラリ、と光る物が落ちているのを見つけた。 「これは、にんげんさんがたまにかけている、めがねというものね。」 正確には、安物の伊達眼鏡、おもちゃ眼鏡である。だが、ぱちゅりーは普通の眼鏡だと思い込んだ。 そしてぱちゅりーは、眼鏡は、ごほんを読んでいる人間さんがよく掛けている、というちょっと曲がった情報を持っていた。 自分も本を読むのだし、掛けるべきでは?という結論に辿り着いたようで、眼鏡を装着し始めた。 「むきゅきゅ。にあうかしら?」 初めて、アクセサリー(花輪)を着けた時のような高揚感が湧き上がる。鏡さんは………、残念ながら無い様だ。 早く自分のおうちに帰って、自分のおうちにある鏡で確認しよう。そんな事を思い、ぱちゅりーは踵を返す。 ガラスの反射で姿を確認しても良さそうだが、ワクワクソワソワしているようで、考えに至らなかったようだ。 ゴミ捨て場を後にし、しばらく跳ねていると、景色が全く違う事に気づいた。 「にんげんさんのもじが、よめる!?」 さっきまで、人間さんの文字の半分も読めなかったぱちゅりーだが、今は全て読む事が出来た。 これは、まれ、ではなく、とまれ。というよみかただったのね………。あれは、たこき、じゃなくて、たこやきやさん、ね。 全ての文字が読めるようになって、世界がガラリと色を変えたかのように見える。 なんでだろう?もしかして………この眼鏡のせい? 人間さんは、賢い。だが、本を読んだりする人間さんはもっと賢いはず。 ならば、本を読む人間さんが掛けているこの眼鏡は、知能をアップする為の道具ではないのか? そして、その眼鏡を今、自分が掛けている。だから今では人間さんの文字を読めるんだ! 強引な展開式だが、ぱちゅりーはそう結論付けた。 「ほかにもめがねがおちてないかしら?」 まだ、日の出までは時間がある。人間さんが活動を開始するまで余裕がある。 他にも、眼鏡を何個か見つけようと、ぱちゅりーは町を跳ね回る。 「ゆゆ?ぱちゅりーが、にんげんさんのめがねをかけてるよ?」 「なかなかとかかいはなこーでぃねーとね!」 「かっこいいんだぜ。それになんだか、かしこくなったようなかおつきだぜ!!」 「わかるよー。ぱちゅりーはすごくあたまがいいみたいにみえるんだよー。」 友達が自分を出迎えてくれた。とりあえず、挨拶しようと息を吸う。 「みんな、おはよう。ゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 ん、今日は気合が入っている。普段は自分の挨拶にここまで大きな声で呼応してはくれない。これもメガネ効果だろうか? 「きょうのぱちゅりーは、なんだかきれいなんだぜ?」 「!!…もう、まりさったら、いきなりほめないでよ……!」 まりさにストレートに誉められて照れる。 「ほんとにきょうのぱちゅりーはすごいんだよー?わかってねー?」 「ふん!メガネをかけたくらいで、ありすよりとかいはだなんておもわいことね! ……まあ、でもちょっとは、とかいはにちかづいたわよ!?」 「ゆぅー・・・。れいむもうらやましいよ。れいむもメガネさんをつけたいよ!!」 「でも、ぱちゅりーのめがねはぱちゅりーのなんだぜ!!まりさもほしいけど、ゆっくりがまんするんだぜ!!」 れいむが眼鏡を欲しがっている。ふぅ・・・沢山眼鏡を拾ってこれてよかった………。 友達だからいきなり眼鏡をちょうだい、なんてことは言ってこなかったけど、欲しくて堪らないようだ。 帽子の中に隠している眼鏡を、どのタイミングで出そうか見極める。会話が終わりそうな気配で切り出したい所だが。 「でもがまんできないよ!!!!れいむは、いまからめがねをさがしにいくよ!!!」 「わ、わたしもついていくわ!!べつにありすはいまでもじゅうぶんとかいはだけど!しょうがなくよ?」 「ちぇんもいくんだよー。つれていってねー?」 「じゃあみんなでいくんだぜ!!!」 「ちょ!ちょっとまって!!!みんなのぶんもあるのよ!!!?」 危なかった。会話の流れが急すぎてついていけなかった。今にも駆け出しそうな勢いの友人達を慌てて止める。 最初から帽子の中の眼鏡を出しておけばよかった。やれやれ、と頭を振って眼鏡を帽子から落とし、友人達に渡す事にした。 ぼとぼと、と眼鏡が帽子から大量に落ちる。いろんな色や、大きさの眼鏡を見て、友人達は目を輝かせる。 「ゆ!れいむはあかいろのがいいよ!!」 「まりさはくろがいいぜ!!」 「ちぇんはちっちゃいのがいいよー?」 「ありすはとかいはなかたちのがいいわね!」 持てるだけ持ってきて良かった。20本ある眼鏡の中から好きなものを選ぶ友人達。 さすがに群全員の分は持って来れなかったが、友人達の分としては十分だろう。 「れいむは、ちょっとかがみさんでおめかししてくるよ!!」 そういってれいむが眼鏡をくわえて駆けて行った。れいむはああ見えて乙女チックだ。 まりさが目の前にいるからか、それとも淑女の嗜みか、アクセサリーを付ける時には気を使うらしい。 「ぱちゅりー、つけてみたぜ!にあうかおしえてほしいんだぜ?」 「よくにあってるとおもうわ!まりさ、すてきよ!」 ゆゆーん、と照れるまりさ。実際、本当に素敵だった。やんちゃな感じが無くなり、大人びた格好よさを醸し出している。 子供みたいな無邪気なまりさも好きだけど、紳士さを帯びた格好いいまりさも良いな、と思った。 「まりさは、ちょっとじまんしてくるんだぜ!!」 物凄い勢いで跳ねていった。なんだか物凄く気に入ってくれたようだ。ぱちゅりーも嬉しくなる。 さて、ありすはどうかしら、と顔を向ける、……とそこにありすの姿は無かった。 「『ありすは、おねーちゃんにもめがねをもっていってあげるわ!』、っていってとんでいったよー。わかるねー?」 都会派を自称しているありすは、お姉ちゃん子だ。年が離れている姉に憧れて、いつも背伸びをした発言や行動を取っている。 そして、何をするにも、お姉ちゃんがした行動を真似したがっている節がある。 眼鏡をつけるのも、まずお姉ちゃんが着けてから。お姉ちゃんを真似しないと気がすまないのかもしれない。 数本眼鏡が無くなっている。似合いそうなのを持っていって、お姉ちゃんに選んでもらうのだろうな、とぱちゅりーは思った。 眼鏡に対する収集癖もないので、特に気にしない。それより、ちぇんがまだ眼鏡を付けていない。迷っているのだろうか? 「ちぇんは、まだめがねをえらべてないの?」 「どれがにあうか、わからないよーーー。たすけてねー?」 「むきゅ……、わかったわ。いっしょにえらびましょ。」 ちっちゃい眼鏡の中からちぇんに似合いそうなのは……、やはりこのオレンジのかしら? 一番小さくて、オレンジの縁がよく映える眼鏡をちぇんの目の前に持っていく。 元々、このオレンジのが気になっていたのか、あっさりと、ちぇんはこれでいい、と頷いてくれた。 「わかるよー。なんだか、すごくゆっくりしてるよー。」 「よかったわ。………ねぇ、ちぇん?ちょっとこのおはなさんのかずをかぞえてもらえるかしら?」 そういって、十数本の花を目の前に置く。ちぇんは、というかゆっくりは、4以上の数を数えられない事が多い。 10以上数えられるのは、ぱちゅりーのような極極少数の存在だけである。 友人であるちぇんは、確か昨日までは、3までしか数えられなかったはずだ。 「いーち、にぃー・・・」 素直に数え始めるちぇん。自分は、昨日まで、10までしか数えられなかった。 だが、今日は少なくとも20までは数えられるようになっている。ちぇんはどうだ? 「さーん、しぃー、……ごー、ろーく・・・しぃーち、はーち、きゅーう、じゅー…………いっぱいだよー?わからないよー?」 「!!ちぇん!?あなたいま、じゅうまでかぞえれたのよ!?」 「わかるよー?ぱちゅりー、じゅうまでのかずがわからないんだねー?」 「ちがうわよ!!あなたは、きのうまでさん、しかかぞえれなかったのに、いまはじゅうまでかぞえれるようになってるのよ!?」 「……そういえば、そうだよーー。ちぇんはかしこくなったんだねー!?」 かしこくなった、と嬉しそうにぴょんぴょん跳ねるちぇん。呑気なものだ。そう頭の片隅で思う。 ぱちゅりーはこれで確信が持てた。眼鏡をかければ、みんな賢くなれるのだ。 「どう、おかーさん。かわいくみえる?」 「きょうのれいむは、すごくゆっくりしてるよ!おかーさんのじまんのむすめだよ!」 「おにぇーちぇん、しゅごくきゃわいいよ!!」 「れーみゅも、めがにぇほしいよ!!」 「ゆふふ、わかったよ!ぱちゅりーにたのんで、めがねをどこでひろったかおしえてもらうよ!!」 「ゆっへっへ。めがねをかけてかりのちょうしもぜっこうちょうだぜ!!!」 「きょうのまりさはすごいみょん!!そのめがねのおかげかみょん!?」 「うらやましいのぜ!まりさおねーちゃんみたいなめがねを、まりさもほしいのぜ!!!」 「ちーーんぽ!!(まりさおねーちゃん、すごーい)」 「まかせるんだぜ!!みんなのぶんのめがねも、ゆっくりとってきてやるんだぜ!!!」 「ゆっゆゆー♪おねーちゃんのせんすでえらばれた、このさんかくっぽいめがねは、すっごくとかいはだわー!!」 「おにぇーちゃん、しゅっぎょくときゃいはだにぇ!!」 「ありがと!………ってあれ?おねーちゃんは?」 「おっきぃありちゅおねーちゃんは、しびゃりゃくたびにでりゅっていっちぇ、どっきゃいっちゃったよ?」 「そんな!!おねーちゃーーん!?…………うう、おいてかれちゃった。………でも、とかいはのたましいはうけとったわ……!! おねーちゃんがいなくても、むれじゅうにめがねをくばって、みんなをりっぱなとかいはにしてみせるわ!!!!」 「おにぇーちゃん!しゅぎょーい!!!」 2週間後には、群のほぼ全てのゆっくりが、眼鏡をかけるようになった。眼鏡ブームという訳ではない。 眼鏡をかけると、知能が上がるという事が解り、眼鏡装着はもはや当たり前の事になっていたのだ。 当然、群全体の生活レベルが上がった。狩りの効率が良くなった。無計画な食事もしなくなった。 外敵への対処にしても、今では数匹のゆっくりがチームを組み、武器を使う事で野犬も追い払える程レベルが上がっていた。 恐らく、これからは、冬も難なく越せるだろう。群はめがねゆっくりぷれいすと化した。 ―――その後。 ちぇんとぱちゅりーは、ミレニアム問題に挑んでいた。 実は、眼鏡をかけたゆっくりの中で一番知能の成長が良いのはちぇんだった。 ちぇんが、『わからないよー』発言をした際、ぱちゅりーが必死に何故解らないのか、どうしたら解るのかを模索し、 教え込んでいった成果である。 今では、フェルマーの最終定理も、『わかるよー。』と答える程であった。 「むきゅ、きょうも、ぽあんかれよそうにいどみましょ。」 「わからないよー………。もうむりだよー、ぱちゅりー、あきらめてねー?」 「だめよ、ひゃくまんどるをいただいて、わたしたちはゆっくりぷれいすをつくるのよ。」 ちぇんは、もうウンザリしていた。もう解らないままでいい。わかるよー。はすごくゆっくりできるけど、今の問題を わかるよー。になるには、どうしていいかサッパリ解らないのだ。出口が見えないのなら、解らないほうが幸せではないか。 だが、何度説得しても、ぱちゅりーの教育熱は冷めない。実は、フェルマーを解く際には、体罰を使い始めていた。 鞭(のようなもの)で、叩かれるのが嫌で必死で頭を回転させ、脳味噌が沸騰するくらいになって、ようやく ちぇんは、世界最高峰の頭脳レベルに達し、フェルマーを解いたのだった。 だが、それがまずかった。味を占めたぱちゅりーは、どんどん体罰の数を増やし、今では無数の体罰をすぐに使ってくる。 「ほら!!さっさと!ときなさい!!!あなたみたいなゆっくりは!これがいいんでしょう!!!」 「わがらない゛よお゛お゛お゛お゛!!!きもちいい゛い゛い゛よおお゛お゛お゛お゛!!」 問題を解くのはウンザリしてきたが、最近は鞭で叩かれるのが気持ちよくなってきたちぇんだった。 お尻の辺りを叩かれると、何故か気持ちがいい事に気づいたのは何時だったか? 体罰を使ううちに、いつの間にかサド属性のついたぱちゅりー。そして、叩かれるのが嬉しいちぇん。 最悪な組み合わせであったが、実は、この方法は効率が良く、ポアンカレ予想を1年後に解くのであった。 れいむは、ご機嫌だった。 眼鏡をかけて初めて街を歩いてみた所、数人のおねーさんに呼び止められた。 そして、眼鏡のれいむは凄く可愛いと誉められ、お菓子をたくさん貰ったのだった。 今度は誰に誉めて貰おうか?と満面な笑みで街中を闊歩していく。 「お、眼鏡を掛けたゆっくりれいむがいる。」 横から声を掛けられた。背の高いおにーさんだ。そうだ、この人に誉めてもらって、高い高いしてもらおう。 お空を飛んでるみたいで凄くゆっくりできそうだ。れいむはそう思った。 「なーに?おにーさん。ゆっくりしていってね。」 「お前は、目が悪いのか?眼鏡をかけるゆっくりなんて始めて見たよ。」 「おしゃれだよ!おにーさん、とってもよくにあっててかわいいでしょ!!?」 「んーー・・・。」 おにーさんが高い高いをしてくれた。目の前で眼鏡を良く見ているだけなのだが、れいむはたかいたかいだと喜んだ。 「度が入ってない……、な。当然か……。全く……、何も解ってないド素人が!!」 お兄さんが吼えた。れいむは何が起きたか解らずにびくっと震えた。 「ゆゆゆ!!?おにーさんどうしたの!!?」 「いいか、れいむ?眼鏡というのは、簡単に言えば屈折を変えるレンズ、そしてフレーム、その他から構成されている。 一般的には、このフレームが外見のイメージを変える訳だ。だが、まあおにーさんは、レンズこそが大事だと思っている。 こう、多少斜めに顔を向けるとレンズの屈折で、顔の輪郭が歪んで見えるんだ。それこそが眼鏡の眼鏡たる所以でね。 真正面から見ても、常に歪みが認識できるようになるには、おにーさんも時間が掛かったが………、まあいい。 つまり………、こんな伊達眼鏡は偽者だってこと。」 ぱっと、れいむから眼鏡を取り上げるおにーさん。 「ゆあああ!!れいむのめがねをかえしてね!!!!!」 「駄目だ!!こんなものは眼鏡では無い!!」 「ぞんなあ゛あ゛!めがねがないとゆっくりできないよお゛お゛お゛!!」 泣きながら、その場でぴょんぴょんと跳ねるれいむ。だが、跳ねた所で、おにーさんに取られた眼鏡は帰ってこない。 「安心しろ。俺がお前にあった眼鏡を用意してやる!!」 「いらないよお!!いまのめがねでいいよおお!!れいむのめがね、かえしてねえええ!!!」 れいむは、ぽすん、ぽすんと、おにーさんの足に体当りを開始した。 「む、教育が必要だな………。しばらくおにーさんと暮らして、眼鏡の良さをゆっくり知ろうね。」 そう言って、れいむを抱え上げ、おにーさんは自宅に向かった。 「半年一緒に暮らせば、れいむは立派な眼鏡れいむになれるよ!」 「いやあ゛あ゛あ゛!!!でいぶはもう゛おうちにかえるう゛う゛う゛う゛!!!めがねをがえじでねえ゛え゛え゛え゛!!」 まりさは、ありすから逃げていた。 「やめてね!すっきりはゆっくりできないよ!!」 「うふふふ、そんなことないわぁ!しそんをのこすことは、せいぶつにとってあたりまえのことなのよぉおおお!!」 「れいぷはやめてね!!ゆっくりできないよ!!まりさはすっきりしたくないよ!!」 「いやだわ、れいぷじゃないわよ!!あいよ!あい!このよはあいこそすべてなの!!」 こんな台詞を吐きながら、まりさはあらゆる体術を使い、ありすを避けていく。 先日など、れみりゃを単体で倒すに至ったまりさだ。身体の鍛え方、動かし方の基礎が並ではない。 一方、ありすは運動能力では多少まりさに劣っていたものの、持ち前の精神力でくらいついていた。 ありすの自慢は、組み付いた瞬間にすっきりさせる事が出来るテクニックだ。 故に、まりさは、運動能力では勝っているものの、自慢の体当りを封印され、防戦一方の状態である。 今まで数回襲われた時は、完全に逃げ切って、おうちを変えてきた。 しかし、ありすの追跡技術は突き抜けていた。匂いを辿り、足跡を辿り、勘を駆使し、探り当てるのである。 ここで倒しておかなければ、永遠に付き纏われ、いずれすっきりされてしまう。 今日は、防戦でありながらも、逃げない。ここでありすを倒す決意をもって戦う。 まりさは、戦いの未来を読める。ありすがどちらに飛ぶかを、体重移動、視線などを観察し、当てる事が出来た。 そして、今までの経験から、自分の攻撃で、相手がどう反応し、どう動くかを何となく知っている。 だから、数手先の見えるまりさは、絶対に捕まる事は無い。逃げながらチャンスを待ち、ありすを仕留めれる状況を待つ。 「まりさったら、ほんとつんでれねぇ!!こうやってつかず、はなれずのきょりをとるなんて!!じらしのてんさいだわあ!!!」 「ふん、そんなせりふはききあきたぜ!きょうこそは、そのうすぎたないくちをひらけなくさせるんだぜ!!!」 数合、ありすの攻撃を回避していると、ありすが、ガクンと体勢を崩した。 完全に地形を把握しながら戦っていたまりさは、地面の凹凸を常に考慮していたが、ありすは違う。 まりさの通った道を続いてきただけだ。凹凸にかかり、体勢をくずすのを、まりさはずっと待っていたのだ。 「いまが、ちゃんすなんだぜえ!!おちろおおおおおお!!!」 尖った枝をくわえ、跳躍する。れみりゃを一撃で倒した必殺の攻撃。狙いは、身体の中心!! だが、その時、見てしまった。―――ありすが薄く笑っているのを。ありすは体勢をくずしたフリをしていただけだった。 罠。気づいた時には遅い。何もない空間に枝を突き刺してしまう。自身も跳躍の反動で数瞬硬直してしまう。 そして、その隙をありすは逃さない。すっきりするのは一瞬。 何手か先を読めるが故に、まりさは空中で、敗北を悟った。 「ふぅ・・・。ありすのあかちゃん、ちゃんとそだててね、まりさ。ありすは、せかいじゅうにあいをひろめてくるわ・・・。 にんげんさんにかわれているゆっくりを、あいですくいだしてあげたいの。だから、ありすはいくわね。」 そう言って、ありすは、去っていった。 まりさの頭上からは茎が伸びている。知能が上がってしまった今は、自分の子供を殺す事が残酷すぎて、出来ない。 レイプされて出来た子供を、自分一人で育てなくてはいけない絶望感を抱いて、泣く事しか出来なかった。 果たして、自分は子供達を愛する事が出来るだろうか。解らない。駄目かも知れない。 群に戻って、事情を説明し、子供達を群に預けて育てようか……。だが、群に戻ったとしたら、誰の子供か聞き出されてしまう。 そしたら、レイプされたと、話さなくてはならない。 レイプされて生まれた子供達は、群の皆に受け入れられるだろうか。わからない。……駄目だ。 もう、何もかもが、解らない。そして、まりさは、眼鏡をはずした。 賢くなっても解らないというのなら、考えない分だけ、馬鹿なままの方がマシだ。 嗚呼、最初から、眼鏡なんてしなければ、良かったのか。まりさはそう、思い至った。 「みとめたくないものね。わかさゆえのあやまちというのは。」 「ゆ・・・。だれ?まりさにはなしかけてるのは、だれなの?」 見ると、黒い眼鏡を掛けたゆっくりがいた。レンズの透明度がないので表情が読めない。 「いもうとのしまつは、わたしがつけるわ。ごめんなさいね。いもうとがあんなふうになったのは、 わたしがしっかりしていなかったからだわ。ちゅうとはんぱなことだけをおしえてしまったようね。 ちゃんと、きょういくしてないままで、わたしがたびにでたりしたから・・・こんなことになってしまったのね。」 「ありすの、………おねーさん?」 「わたしは、かこをすてたおんなよ。…けど、あなたをすくうことはできるわ。あなたをゆっくりぷれいすにつれていってあげる。 ドスにかんりされてて、たべものがたくさんあるわ。こどもたちのせわも、むれのみんながみてくれるわよ。 ………こんなことしか、できないけど。あかちゃんをなかったことには、できないの。ごめんなさい。」 「……ありがとう。……ありがどう゛!!!!」 まりさは、感謝した。絶望の中から救ってくれたこの姉ありすに感謝した。 そして、安堵感から、気絶するように眠りに落ちた。 目を覚ますと、そこはすごくゆっくりできそうな場所に居た。けど、姉まりさの姿は無かった。 おうちと、たべものを用意してくれたぱちゅりーに、姉ありすについて聞いてみたが、 妹に会いに行く、の一言だけ残して行ってしまったらしい。 姉ありすは、妹を、あのありすを殺す気で、行ってしまった。 残されたまりさは、せめて姉ありすが無事で帰ってきますようにと、祈った。 ------------- 前に書いたの まりさとの平日 ぱちゅりーとおにーさん お野菜が勝手に生えてくるゆっくりぷれいす
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「ゆっへっへっへ、これだけあれば冬もゆっくりできるんだぜ!」 朝からの初雪で白く染まった人里外れの森。 大木の根元を掘り下げた洞窟で少し大きめのゆっくりまりさは高く詰まれた食料を前に下卑た笑みを浮かべていた。 「ゆっ。 じゃあれいむたちもう人間から食べ物を取ってこなくていいんだね?!」 「ああ、いいぜ。 これだけあればこの冬も越せるんだぜ。」 この洞窟にはこの少し大きなゆっくりまりさとその家族と他にゆっくりれいむの家族が住んでいた。 ただ数も多く、身体も皆大きいまりさの家族が穴の中心で踏ん反り返っているのに大して、れいむの家族は部屋の隅でお互いを寄せ合うようにしている。 この住処の力関係は歴然だった。 「やったねおかあしゃんこれであんしんしてゆっくりできるよ!」 とはいえこれでこの冬は一安心だと思ったのか、れいむの家族も安堵していた。 「ああ、ゆっくりできるぜ! ただしお前らは外でだけどな!」 「ゆっ!?」 言うが早いかまりさの家族は総がかりでれいむ達を体当たりで外にはじき出してしまった。 このまりさ一家、秋の終わりにこのれいむ一家の住んでいた洞窟に入り込んできて我が物顔で居座ると、 その大きな身体でれいむ一家を脅しては自分たちの食料を集めさせていた、いわゆるゲスまりさと呼ばれる種類であり、さらに最近ではもっと美味しいものをと言い出しては危険な人里から人間の食料を調達させていた。 「お前らはもう用済みなんだぜ! そこでゆっくり凍え死ぬといいんだぜ!」 『ゲラゲラ!』 ゲスまりさ一家は洞窟の入り口でそんな勝ち誇り、下品な笑いを吐いている。 れいむ一家は仕方なく雪の中せめて、住処だけでも見つけられないかと洞窟を後にした。 一方人里。 「かさはいらんかね~ かさはいらんかね~ 丈夫なかさだよ~」 年の瀬で皆忙しく買い物をする中、傘を売る老人がいた。 もっとも忙しい年の瀬、雪が降り出しているとはいっても今傘を買おうなんて思う人間はいない。 それでも老人は自分の年の瀬の用意をしなければと懸命に声を出しながら商店街を歩いていた。 …と、突然肩を乱暴にどかされ足腰の弱い老人はそのまま転倒してしまった。 「おいジジイ、マジ邪魔なんだけど。」 雪に倒れた身体を持ち上げて声のする方を見ると食料を乗せた荷車を引く青年の姿がある。 「へえ、すみませんでさぁ。」 この青年は里の庄屋に奉公に来ていたが素行も悪く、問題ばかり起こす事で有名だった。 とは言え忙しい年の瀬。 そんな青年でも何とか使わなければ手が回らないと、庄屋の番頭は仕方なく青年を買い物に行かせていた。 「はあ? マジすみませんじゃねえよこのボケ!」 「ぐうっ!」 この寒い中使いに行かされ、重たい荷車を引かされていた青年は機嫌が悪く、その捌け口を蹴りという形で老人にぶつけた。 もっとも、奉公に来ているからには仕事をこなすのは当たり前。 機嫌を悪くする時点でどうかしているのだが…。 「たくっ、傘なんざマジ売れもしねえのに歩いてるんじゃねえよ、マジ邪魔だっつーの。」 トドメとばかりに痛みで動けない老人に唾を吐いて尚もブツブツ言いながら去っていった。 人間にもゲスはいる。マジで。 しかし、確かに傘が売れないという点は青年の言うとおりだ。 老人は起き上がるとトボトボと商店街を後した。 「おかーしゃんさむいよお…」 「ごめんね、ゆっくりがまんしてね。」 激しさを増す雪の中、れいむ一家は住処も見つけられず、しだいに降り積もる雪に体力を奪われ、力尽きようとしていた。 「おや、ゆっくりかい。 こんな雪の中に何でまた…。」 人間だ、相手は老人だが今の自分達は戦うことは愚か逃げる事も出来ない。 れいむ一家は死を覚悟した。 老人は百姓である。 ゆっくりと言えば百姓にとっては田畑を荒らされるので目の敵なのだが、 この老人の畑はゆっくりの生息地からは遠かったので特に荒らされたりすることも無く、老人はゆっくりにそれ程嫌悪を抱いていなかった。 だからこれが普通の青年や他の農家だったらトドメを刺している所だが、元々人が良く、心優しい老人はそうはしなかった。 「ゆっくりと言えどこんな雪の中じゃ寒いじゃろうて、こんな物でよければどうじゃろうか?」 それどころか彼はれいむ達に頭の雪を払いながら売れなかった傘を被せていく。 散々いたぶられて殺されるかと思っていたれいむ達は予想外の老人の行動に呆然とし、全員に傘を被せてくれるまでじっとしていた。 幸いある程度大きくなったれいむ一家は全員サイズも違わず、傘はいい具合に頭を覆ってくれる。 「おじいさんありがとう!」 「おじいさんはゆっくりできるひとだね!」 れいむ達のお礼を聞いて老人は満足そうに笑うと、雪の中姿を消した。 「あークソ、マジだりいよ。 あのジジイもうちょっとマジぶん殴っておくんだったなあ。 つーかあの庄屋のオヤジとかありえねえだろマジで。 マジこんな雪の中使いに行かせんなつーの。 マジさっさと死ねや。」 商店街から庄屋の家に向かうには人通りの少ない人里の端のを進まなければいけない。 青年は相変わらずやたら「マジ」の入った頭の悪そうな文句を一人垂れ流しながら荷車を引いていた。 ガコンッ 「ん?!」 唐突に荷車に違和感を感じ、青年が後ろを見ると荷車がかなり傾いている。 雪の中、積雪に隠された岩に乗り上げたのだろう。 普通ならこんな物に気づかないワケ無いのだが独り言に夢中だった青年は気づかず、荷車は今にも横転しそうな所だった。 「ちょっ、うわマジやべえって! うわ…!」 そんな倒れた荷車の角に頭をぶつけて青年は気絶してしまった。 傘を貰ったとは言えれいむ一家の事態はそれ程好転しない。 住処が見つからない以上ほんの少し死期が伸びたに過ぎなかった。 「ゆっ、おかーさんあれ何?!」 視界の悪い雪の中子供の一匹が青年の倒した荷車を見つける。 幸いにも青年はまだ気絶していた。 「おかーさんごはん一杯だよ!」 「ゆっくり運び出そうね!」 れいむ達は思わぬ幸運にはしゃぎながら、横転して荷車から落ちた大量の食べ物を寄り添って使える面積を大きくした頭の上に乗せた。 傘は一匹だと斜めになっているので物を乗せられないが、何匹も寄り添えば元々面積は広いので多くのものが運搬出来る。 長い間ゲスまりさにこき使われていたれいむ達は運搬に慣れていたのでそういった知恵も働いた。 「ってててて… マジ(い)ってえわ。 何なんだよマジで…ってうおい! マジどうなんってんだよ?!」 雪の中目を覚ました青年が荷車を見ると荷物がはほぼ全て無い。 急いで辺りを見ると雪の中帽子に荷物を載せて遠ざかるゆっくりの影があった。 「てめえらマジなにやってんだよ!? オイ、マジ待ちやがれ!」 急いで後を追おうとするが荷車に着物の一部が挟まって中々起き上がれない。 落ち着いてやれば簡単に外れるのだが半ばパニック状態の青年にそれはマジ無理な相談だった。 「くっそ、マジぶっ殺す! マジ一匹残らずぶっ殺してやっからマジ覚えていろよ!」 雪の中後ろからする青年の憎悪の声を振り切り、落ち着いたところでれいむ達は休む事にした。 大量の食べ物は手に入ったがこのままこれを持っていても住処がない以上どうしようもない。 「おかーさん、このままじゃれいむ達ゆっくり死んじゃうよ!」 「そーだよ、だから死ぬ前にせめてゆっくりおなか一杯になって死にたいよ!」 子供たちに言われ母れいむは考えた。 ここで食料を食べ続けても雪がしのげない以上はいずれは死ぬ。 それも食料がある分ゆっくりと凍え死ぬだろう。 ゆっくりするのはいい事だがなるべくなら自分達も子供達も苦しまないであの世に行きたかった。 物を食べれば半端に体力が続いて苦しむことは母れいむには分かる。 「ゆっくり待ってね! この食べ物はあのやさしいおじいさんにゆっくり届けてあげよう!」 「ゆっ! おかーさんどうして?!」 「そーだよれいむ達どうせ死ぬならゆっくりお腹一杯食べて死にたいよ!」 「ゆっくり考えてね! ゆっくりいい事をすればてんごくに行けるんだよ! そうすればあの世で一杯ゆっくり出来るんだよ!」 「ゆっ、そうなの?!」 「じゃあみんあでいいことしてゆっくり天国にいこうね!」 「お帰りアンタ。 どうだい傘は売れたかい?」 「いや、それがのう…。」 雪の中家に着いた老人は妻の老婆にゆっくりの一家に傘をあげてしまった事を話した。 「すまないねばあさん。」 「何言ってんだい。 どうせ売れなかったら邪魔になるだけなんだからあたしゃ何にも言わないよ。 それにアンタがそれでいいと思ったんだからあたしも悪いなんて思わないさ。 何、年の瀬は贅沢出来なくても冬の間の買い置きは十分。 二人でゆっくり年越ししようじゃないか。」 子にも恵まれず寂しく年を越すよりはせめて贅沢にと二人で作った傘を売りに行った老人は、 それをゆっくりにあげてしまった事を咎められると思っていたが、老婆はその選択をやさしく受け入れてくれた。 自分にはこの妻がいれば幸せなのだと涙する老人に 「いやだよアンタ年甲斐もなく泣いちゃって。」 と笑う老婆。 そんな暖かな老夫婦の家の戸を叩く音があった。 「おや、誰だろうね、こんな雪の中…。」 老婆がいそいそと戸を開けるとそこには 『ゆっくりしていってね!』 「殺す!マジ殺す! マジ一匹残らず殺してやるかんな、あのマジクソ饅頭が!」 庄屋の番頭にこっぴどく叱られ、腹いせにあのゆっくり達に復讐してやろうと雪の森を歩く。 青年には心当たりがあった。 最近人里で食料が盗まれる事が多い。 現場の様子からして犯人はゆっくりで、住処の検討も着いているからそれを掃討しようという話を青年は知っていた。 話の内容から巣の位置もそれなりに見当がつく。 マジで理不尽な怒りを燃え滾らせる青年はズカズカと雪の振る森を歩いていった。 「む~しゃむ~しゃしあわせ~♪」 れいむから奪った巣の中ゲスまりさ一家は早速食料を食い漁っていた。 「それぐらいにしておくんだぜ! 沢山あるけどせつやくしなきゃまた誰かに取りにいかせなきゃならないんだぜ!」 「ゲラゲラ、あんなの簡単なんだぜ!まりさ達は無敵なんだz…ゆべっ!」 「マジ見つけたぞオラア!」 突然洞窟に青年が入り入り口近くのまりさを蹴り飛ばして壁に餡子をぶちまけた。 「ゆっ、おにいさんここはまりさ達の…ゆぶえ!」 続けて抗議しようとした二匹目を踏み潰す。 「マジるっせえよこのクソ饅頭が! マジテメエらだろ俺の荷物や里で食いモン盗んでたのはよぉ!」 「ゆっ、それは違うんだぜ! 盗んだのは全部れいむ達なんだぜ! まりさは盗んでないんだぜ、分かったらゆっくりあやまっておかしを…ゆぎぎぎ…ゆぎあ!」 更に弁解と謝罪の要求を始めたまりさをマジ二つに引き裂いた。 「はあ?マジ何言ってんのオマエ。 俺マジお前らが逃げてく所見ているんだけど? 帽子被っているのなんてマジお前らしかいねえだろうがよ! しかもマジ何よその食い物、マジ全部里のモンじゃねえか! わかったらマジ死ねやゴルア!!!!」 「ゆげええええ!!! なんでなんだぜえええええ!!!!!!」 雪はすっかり溶け、レティも姿を消した頃、百姓夫婦と共に農作業をするゆっくりれいむ一家の姿があった。 「おじいさん、これ何処におけばいいの?!」 「ああ、それはこっちに。 ああ、そこはもうそれぐらいでいいじゃろう、あっちにお茶菓子用意しておいたからゆっくり休みなさい。」 『ゆっくり了解したよ!』 「おじいさん達も一緒にゆっくりしようね!」 元々寂しかった老夫婦は雪の中恩返しに重たい食べ物を運んできてくれたれいむ一家を受け入れ、正月をにぎやかに過ごした。 れいむ一家はその後老夫婦の農作業を手伝いながらゆっくりと充実した日々を過ごしている。 運搬が得意で虐げられて来た為か根性とモラルが備わったれいむ一家は老人達にとっても孫のような存在になった。 老夫婦にとっても身の回りがにぎやかになり、寂しくはない。 「はるですよ~♪」 幻想郷の春は妖精リリーの能天気な呼び声で始まった。 このSSに感想を付ける
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いつも疲れた帰りに 875のゆっくりれみりゃが寄ってくるの。 そしたら腹立たしくなって「がおー、お前をたべちゃうぞ~」って言ってやったら 「う”-!だべぢゃやだぁああ」とかゴネ出すんだよ。それで 「冗談だよ、よしよしお前はいつも可愛いな」って撫でてやると 「ぅ、うー♪うん!」って膝に抱きついてくるので暑苦しく感じながらよしよしして 「じゃあ、おすもうさんごっこがいいな」って言ってやる。 「おすもぅさん、ごっこ?うー、それなにぃ?」ってつぶらな赤い目をぎょろりと向けてくるれみりゃ。 ウゼェ。と指を差込みたくなる衝動を抑えながら相撲のルールを手短に説明。 合点がいって「うー♪わかったうー!」っとぴょんぴょん跳ねるゆっくりゃ。 「じゃあこかされたら負けだよ」「がぉー♪たべちゃうぞ~♪」とのらくらと踊っているつもりなのだろう。 てめぇのような知能の低い薄汚い豚に食べられたら先祖に顔向けできねぇよ。 「じゃあはっけよーい、のこった!」さあスタートだ。さっきからウザかったゆっくりゃをいじめてやる。 ゆっくりゃはババクサイかっこしてるから色んな所をすぐ掴める。 一方ゆっくりゃは俺の膝までしかないから脚にしがみつこうとする。 よける度にこけそうになるゆっくりゃをさっと後ろから抱える。 「う!がぉ~♪つかまっちゃったぞぉ~♪」と何故か嬉しそう。 ますますむかついたからそのまま両手で合掌するごとくゆっくりゃを徐々にプレスする。 最初は楽しそうだったゆっくりゃはやがて苦しそうに 「う”-!はなじで!うぁ!」とじたばたしだす。そこで俺は手を背中の翼に伸ばしぶちっと一気に引きちぎる。 「う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!いだいよぉぉおおおおお!!」 絶叫するゆっくりゃの口に思いっきり羽を突っ込んでやる。 「うるさいから黙ってろ」「ん”-!ん”-!!」ともごもごさせるれみりゃは正に豚のようだ。 相撲のことなんてどうでもよくなった俺は早速ゆっくりゃを床に叩き付ける。 「ふぶっ」と醜い声を漏らしたあと、「ん”-------!!!ん”-----!!」とさっきより苦しそうにじたばたしている。 俺はれみりゃの足についた蹄をキッチンから包丁を取り出して切断する。 れみりゃの豚足なんて不味くて食えないだろうけどな。 「ん”あ!!!!!」と汚い声とともに 卑しくも翼を吐き出したれみりゃは「びどいよぉ”なん”でごんな”ごどずどぅの”ぉ”」 とブヒブヒ呻いてる。黙れ汚いんだよこの豚が。
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※厨なオリキャラ注意 ※もはやゆっくりじゃネエヨ的なゆっくり注意 ※ドス注意どころの騒ぎではない ※舞台が現代なのに蓮子・メリー以外の原作キャラ注意 ※れいぱー注意 ※何かもうやりたい放題注意 「しゃちょ~・・・なんで、私が貴女と一緒に山登りをせにゃならんのですか?」 「ん~、そうねぇ・・・そこに山があるからかしら?」 「意味が分からん!」 私はゆっくりカンパニーの系列店『ゆっくりショップ』でアルバイトをしている程度の普通の女子大生だ。 現在、何故かゆっくりカンパニーの(見た目は)若き(年齢不詳の)女社長と一緒に山を征服中。 一体何故、と訊かれても社長が何も語らない以上、私にも分からない。そもそも、社長と私には殆ど接点がない。 服装こそいかにもこれから登山!と言った感じのものになっているが、寝ている間に社長に着せられたものだったりする。 ついでに言うと、寝ている間の連れてこられたので、ここが何県にある何という山なのかも全く分からなかった。 それ故に釈然としない気持ちを彼女から渡された登山用のリュックと一緒に抱えながら、えっちらおっちら歩を進めていた。 「ふふ・・・素直で宜しい」 文句を言いながらもついてくる私を見て、社長は微笑む。 当の彼女の服装は八卦の描かれたどこかチャイナテイスト・・・のような気のする紫色のドレスで、とても登山向きではなかった。 なのだが・・・社長は年齢(不詳だけど)を感じさせない軽やかな足取りで、うふうふ笑いながら事も無げに先へ先へと進んでいる。 そんな彼女のウェーブのかかった艶っぽい金髪の揺れる背中を見つめながら、私は完璧超人っているものなんだなぁととしみじみ思った。 美人で、若くしてひとやま当て、あの体力で、きっと頭も良いのだろう。もっとも、真性の変人ぶりが全てを台無しにしているが。 「さあ、目的地まであと1200mよ、もちろん高さで。三次元を感じましょ」 「『しょ』じゃない。寝起き早々それは拷問・・・そもそも、ここ何処?」 「ひ・み・つ♪」 社長の口から飛び出したかなりあんまりな数字にため息を吐きつつ突っ込みを入れるが、当然全く相手にしてもらえない。 目元に胡散臭い笑顔を浮かべ、いつの間にやら取り出した扇子で口元を隠した、全く思考の読めない表情で私の様子を伺っている。 ここは何処なのか、何故登山をさせられているのか・・・などなど、私の問いはことごとくはぐらかされていた。 この質問をすること自体、もう何度目になるかも分からないような有様で、既に諦めてはいるけれど。 まともに回答を得られた質問と言えば「うちのゆっくりどもは?」というものくらいだが、今の私の置かれている立場を把握する上では何の意味もない。 「はぁ、酒でも飲みながらゆっくりするつもりだったのに・・・」 「肉体労働の後の一杯は最高よ?」 「理由の分からない強制労働でなければ、ね・・・はぁ」 暖簾に腕押し、柳に風、ぬかに釘・・・こういう諺は枚挙に暇がない理由が何となく理解できた。 きっと、昔の人もこういう偉い人の酔狂に振り回され、会話のドッヂボールに惨敗し、頭を抱えまくったんだろうな・・・。 相手がゆっくりというわけでもないのに会話が成立しないというのはなかなか煩わしく、私は心の中で毒づいた。 このゆっくり人間がッ!・・・と。いや、ゆっくり人間にどうこう言うつもりはないが。 「と、まあ、出発と終着の境界を飛び越えて、目的地に到着」 「何が飛び越えて、だか・・・あ゛ー疲れた~・・・」 4時間後。私と社長は苦労の甲斐あって無事目的の場所とやらに到着した・・・らしい。 何故「らしい」と付くのか?答えはいたって簡単で、ここが山頂ではなく、そこを目的として登山する理由が見出せないから。 山頂はまだ大分先で、右を見ても左を見ても木々が鬱蒼と生い茂るばかり。どう見ても道に迷ったとしか思えない。 道中を省略されてしまったので分からないかもしれないが、何度か質問はした。そして案の定、はぐらかされた。 「ふむ・・・なるほど・・・あらあら・・・」 で、今に至っては一人で辺りを見渡しながら、うんうんと頷きつつ、何か訳の分からないことを呟いている。 万が一にも実は「ふむ・・・なるほど、道に迷ったのね?あらあら、大変」なんて言っていたら、たとえ社長でも張り倒してやる。 そんな事を決心しながら、限界に近い足をゆっくりさせてやる為に近くにいたゆっくりに腰かけ、悠長な様子の彼女を睨め付けていた。 「ゆぐっ・・・」 ようやく一息つけたということもあって思わずため息が漏れる。さっきから漏れっぱなしのような気もするがこの際、気にしない。 「ゆっくりぃー・・・」 散々山道を歩き続けた私の足はもはや抱腹絶倒の大爆笑で、喉は乾季の砂漠の如くカラカラだった。 「ゆっくりしてよー!」 それに、無理矢理連れてこられたものだから朝ごはんも食べておらず、その事を思い出した途端にお腹の虫が鳴きだした。 「ゆっくりできないよぉー・・・」 腹の虫がまるで我が家で飼っているゆっくりどものようにゆーゆーと喚いてうるさいったらありゃしない。 「・・・・・・んあ?」 「ゆえーん!ゆっくりできないよおおおおおお!?」 「あら?」 私のお尻の下で泣いているのは一匹のゆっくりれいむ・・・・・・どうやら私は本当に疲れていたようだ。 そこにゆっくりがいると理解した上でゆっくりに腰掛けたのに、ゆっくりがいることを完全に失念していた。 かなり大きな個体で体高は70cmくらいはあるが、中身が餡子のクセに異様に軽いゆっくりの場合、体重は20kgあるかどうか。 なおかつ彼女達は非力だ。その上に2倍以上の体重があるであろう私が乗るとなると相当な苦しみを伴う。 「ゆえーん!ゆえーん!いだいよおおおおおお!?」 「・・・はぁ、参ったなぁ」 「あらあら、大変」 いや、大変というよりも面倒臭いんだよ・・・そう突っ込んでやろうと社長のほうを振り向くが、彼女は私に背中を向けて、あらぬ方向を見ていた。 そして、その視線の先には・・・何故か、社長を下膨れ饅頭風に、つまりゆっくり風にデフォルメした巨大ゆっくりがいた。 あれは確か『ゆっくりゆかり』、またの名を『ゆっかりん』と呼ばれるゆっくりだ。それにしても本当に馬鹿でかい。 念のために言っておくけど、1mやそこらの大きさじゃない。目測だが、5mを優に超える規格外の巨体である。 『ゆっかりんたちのゆっくりしたおうちからゆっくりいね!』 力強い怒声と共に社長をデフォルメしたような風貌の饅頭巨体が社長本人めがけて思いっきり突進してきた。 いくらゆっくりと言えどこのサイズになれば重さも相当なもの、1tを超える可能性だって否定できない。 流石にこれは不味いんじゃなかろうか?しかし、私が助けに入ってどうにかなるような状況でもないし、第一間に合わない。 しかし、多分原因が私にある以上、放っておくわけにも行かず、やれやれとまたため息をつきながら立ち上がったとき、社長は左手の掌を突き出して私を制止した。 そして右手の扇子を閉じると、巨大ゆっかりんに向かって掲げ・・・巨体の持つすべてのエネルギーを容易く受け止めてしまった。 厳密に言えば、扇子の先から発せられているくるくると回る不思議な光の壁によって膨大なエネルギーが無力化された。 『ゆっ・・・ゆゆっ!?』 「んなっ・・・?!」 「・・・貴女は囮。本命はあっちの子ね」 その美貌に相応しい、思わず聞き惚れてしまいそうな妖艶な声で囁く彼女の左手にはいつの間にかクナイが握られている。 そして私の、いや正確には私の後ろにいる何かを一瞥すると巨大ゆっかりんを制したその姿勢のまま、腕力だけでクナイを投擲した。 本来は工具だったと言われているそれが時速100km近い信じがたい速度で私の横をすり抜けて行く。 ありえない速さではないが、壁を這うゴキブリを赤ゆっくりで潰せる程度には野球やソフトボールの経験のある私の目にはそれはありえないものだった。 常識的に考えて、腕力任せの下手くそな投擲で、あんな速度を出せるはずがない。 『ゆぎゃ!?』 クナイが通り過ぎた直後、背後から短い、しかしはっきりと聞き取れる大きな悲鳴が聞こえた。 とっさに振り返った私の視線の先にいたものはもう一匹の巨大ゆっくり。こちらはまりさ種で、恐らくドスまりさと呼ばれるゆっくりだろう。 見るのは初めてだが、有名な巨大種だから、間違いない。最強のゆっくりと名高いそれが、たった一本のクナイで無力化されている。 舌を突き出して、ごろんごろんとのたうち回っては周囲の木々をなぎ倒し、自分の皮を傷つけていた。 『ゆゆっ!どうしたのまりさ!?』 『ゆぎぃぃぃいい!したがっ!したがああああ!?』 「ドスパークのエネルギーを充填しきる前に暴発させてもらっただけよ、死にはしないわ」 飄々と、今の社長にはそんな言葉が良く似合う。2匹の巨大ゆっくりを前にして、彼女の余裕に満ちた心も、衣服も全くと言っていいほど乱れていない。 ドスまりさは口内の火傷のせいで戦闘を続行できるような状態ではないし、巨大ゆっかりんも既に戦意を喪失していた。 全く状況を飲み込むことが出来ないが、一つだけ確かなことは私は今まで人外の何かから給料を貰っていたということだろう。 さて、どうしたものか・・・と頭をかいていると、今度は木々の陰から無数の通常サイズのゆっくりが躍り出てきて、社長めがけて石をぶつけ始めた。 「「「ゆっくりーー!!」」」 「どすをいじめないでね!」 「「ゆっくりできないよ!」」 「「「「「ゆっくりできないおねーさんはゆっくりどこかにいってね!」」」」」 小さな体をめいっぱい使って、あらん限りの力を振り絞って、口にくわえた石を投げつける通常サイズのゆっくり達。 相手は巨大種が2匹同時に挑んでも敵わない、まさに次元の違う強大な存在、ソレと対峙することが怖くないはずがない。 しかし、ゆっくり達は社長に睨まれ、怯みながらも逃げ出さずに果敢に投石を繰り返す。 もっとも、腰が引けているせいで殆ど届きさえしないし、届いたところであっさりと叩き落されているのだが。 「へぇ・・・こっちでよくもまぁ、これだけのゆっくりを集められたものね」 飛んでくる石の中から、当たるであろう石を瞬時に、かつ正確に見極めて、空いている左手でそれらを叩き落とす社長。 彼女の目は一見微笑んでいるように見えるが、「痛くも痒くもないけど向かってくるのなら仕方ない」という消極的な殺意が宿っている。 その殺意の外にいる私でも背筋が凍りついて、蛇に睨まれた蛙のように身動き一つ取れない。おお、怖い怖い。 『ゆゆっ!み、みんな止めるのよ!お姉さん、この子たちはゆっかりんを守ろうとしているだけよ!』 「言われなくても分かるわ、それくらい」 『だから見逃してあげてね!ゆっくり出来ないのはゆっかりんだけでいいのよ!』 「あら、何かしようってつもりはなかったのに、貴女から進んで研究対象になってくれるなんて、嬉しいわ」 「「「「「「ゆっかりんをゆっくりさせないおねーさんをゆっくりやっつけるよ!」」」」」」 最後の社長の言葉を聞いたゆっくり達は、投石による攻撃を諦めて体当たりを仕掛けようと接近する。 どう考えても投石のほうが効果的な気もするが、これだけの数がいるのなら案外押しつぶすことも出来るかもしれない。 もっとも、相手が巨大種の突進を容易く受け止めるような化け物でなければの話だが。 「・・・ゆっくりにしては勇敢ね」 リーダー思いのゆっくりを見つめる今の彼女からはいつの間にか殺気が消え、どこか慈悲深い笑みをたたえている。 先ほどの殺意など微塵も感じさせない、太母という言葉が似つかわしい、そんな柔和な表情。 貴女達の勇気に免じて・・・社長はそう呟きながら、ゆるやかな、そしてしなやかな動作で左手を右から左へ振った。 「「「「「「ゆゆゆっ!?」」」」」」 すると、一瞬にしてその場にいた全てのゆっくり達が足元に出現した不気味な穴へと吸い込まれていった。 突然の巨大饅獣VS超人の対決からおよそ3時間後。 現在、私と社長は巨大種2匹を含むゆっくり達から手厚い歓迎を受けていた。 『おねーさんもおねーさんも、ゆっかりんのおうちでゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」 「「はいはい、ゆっくりゆっくり」」 私たちの周りをにこにこ笑顔を浮かべながら跳ね回り、喧しく騒ぐゆっくりども。 先ほど、スキマ(と言うらしい)に落とされたゆっくり達は全員傷一つない状態で、ゆっかりんの傍に落とされたので一匹たりとも欠けていない。 ソレによって、察しの良いゆっかりんが私たちに害意がないことに気付き、お詫びの意味も兼ねて歓迎したいと言い出し、あれよこれよという間に今に至る。 「ところで社長・・・」 「何かしら?」 「結局、何で私が同行させられたんで?」 「それはね・・・貴女がゆっくり人間だって聞いたからよ。私だけじゃリーダーがみょん種だったら会話が成立しないもの」 いや、私は生物学的見地から至極平凡な人間である事が証明されているんだが。鏡見ても普通に人間にしか見えないし・・・と言ってたところで話を聞きそうにないか。 やれやれ、と心の中で呟きながら、目の前にうず高く詰まれた宴会用の食料の山に目をやる。 雑草や虫など人間があまり食べないものがメインだが、中には私でも食べられそうな果実やキノコなんかも積まれていた。 それらを川で洗い、時には近くにあった木の枝を洗ってから、ソレに突き刺して、社長の熾した火で炙って食べる。 「むしゃむしゃ・・・んまい♪」 「そうねぇ、たまにはこういうのも悪くないわねぇ」 「これでお酒があったら言うことないんだけど・・・」 「・・・飲む?」 なんだかよく分からないがとりあえず食べられるキノコを咥えたまま、中空にスキマを作り出した社長は、そこから大きな瓢箪を取り出した。 スキマの中から「こらー!私の瓢箪返せー!」という声が聞こえたような気がしたが、スキマが閉じられ、確認する術がないので気にしないでおこう。 そして、いつの間にやら用意していた2人分のコップにお酒を注ぎ、そのうちの一つを私に手渡した。 「ありがたくいただきます、社長!」 「ふふ、現金ね」 コップを受け取り、乾杯を済ませた私たちは最初の一杯目を一気に飲み干す。 それからは、各々勝手に瓢箪のお酒を注いでゆく。私も社長もかなりのハイペースなのに瓢箪のお酒は一向になくなる様子を見せない。 どうなっているんだろうと思ったものの、昼間に彼女が人ならざるものであることを散々見せ付けられていることもあってか、追求する気にはならなかった。 美味しいお酒が沢山飲めるのならそれでいいじゃないか。 『ねえ、お姉さん達!』 「ふぅ・・・なにかしら?」 これで7杯目になるお酒を飲み干した社長は、ドスまりさの呼びかけに応じて彼女の方を向いた。 一方、私は「達!」と言われた所で巻き添えを食っただけの身の上なので、全てを社長に任せて、適当に群れのゆっくりと戯れる。 先ほど下敷きにしてしまったれいむが、お酒に興味を示していたので少しだけ飲ませてやると、不味いと叫びながら泣き出してしまった。 社長はそんな私を横目で一瞥して「早くあやしなさい」と無言の圧力をかけて来る。 『お姉さん達はここに何しに来たの?』 「私たちはここのゆっくりの調査に来たのよ」 『ゆっかりんたちの調査?』 「ええ、最近この山でおかしな事が起きていると聞いたものだから」 私に抱え上げられてあっという間に機嫌を直し、「おそらをとんでるみた~い」と大喜びするれいむの目を見ながら、2匹と1人の話を聞いていた私はようやく合点が行った。 確か、ゆっくりカンパニーの環境方針には野生のゆっくりや野良ゆっくりによる生活環境や自然環境への影響の調査や予防が含まれている。 今までの調査でこの山にゆっくりが生息していることを把握していた彼女は、この山の異変がゆっくりによるものではないかと調査に乗り出したんだろう。 ・・・理由が分かったといっても、何の意味もなく巻き込まれたことはやっぱり腹が立つが。 『おかしな事ってどんな事?』 「一晩で木々が30本ほどなぎ倒されていたり、大木に絞め殺しイチジクにでもやられたみたいな跡があったり・・・」 『ゆゆっ!まりさ達そんな事しないよ!』 社長の言葉に反応して、自分たちの無実を訴えるゆっかりんとドスまりさ。 もっとも、社長も彼女達がそんなことをするとは思っていないようで、分かってるわとだけ言って頷く。 私もその意見に全面的に同意で、とてもじゃないかこいつらが無差別破壊をやらかすとは思えない。不可抗力で・・・という可能性はあるが。 そもそも、そんな目立つ行動を取ってしまってはドスまりさ達の存在が公のものになってしまうのではないだろうか? そして、そんなデカブツを素直に放置してくれるほど世間様は甘くないだろう。 「そう・・・仕方ないわね、続きは明日にして、今日はここで寝ましょう」 『お姉さん達はゆっくり出来るからまりさ達と一緒にゆっくり寝てもいいよ!』 ちょっと待って欲しい、平凡な人間である私はあんな巨大饅頭に寝返りを打たれたら死ぬ。 しかし、既に寝る気満々の社長にそんな私の命に関わる重要なツッコミ入れる隙は一瞬たりとも存在しなかった。 ゆっくり風に言うならば、ごわぐでぜんぜんゆっぐりでぎないよおお!と言ったところだろうか。 いつ寝返りを打つか分からない巨大種2匹に戦々恐々で、全く眠りにつくことのできなかった私は、集落から200mほど離れた小川で夜風に当たっていた。 適当な岩に腰掛け、夜空に瞬く無数の星を眺めながら、川のせせらぎと風に揺れる木々のざわめきに耳を傾ける。 「・・・・・・・・・静かだなぁ」 自宅にいる時はこの時間ならまだれいむ辺りを抱きかかえたまま、テレビを見ながらすいかの角の酒を飲んでいる頃だろうか。 何にせよ、パジャマに着替えたは良いがまだまだ宵の口といった程度で、バカ騒ぎの真っ最中だろう。 あいつら、今頃どうしてるかな?・・・案外平然としてたら癪だな。 社長が面倒は部下に見せていると言っていたけど、迷惑をかけていないだろうか? などなど、気がつけば鬱陶しい金食い虫の居候のことを考えている自分に気付き、思わず苦笑が漏れる。 『ゆゆっ!どうしたの、お姉さん?』 とまあ、一人最近のラノベにありがちな語り部も兼ねる無気力系主人公の成長フラグみたいなことを考えていると、巨大ゆっかりんが小川にやって来た。 ぽよんぽよんと体高だけでも私の3倍を超えようかという巨体を揺らしながら私の隣に跳ねてくる。 うっかり踏まれたりぶつかられたりすると即命に関わるのかと思うと少々笑えないが、流石にそんな失敗はしないだろう。 予想通り、私の傍まで来たところで跳ねるのを止め、底部を細かく動かして私の隣に腰を下ろすゆっかりん。 立っているのか座っているのかの区別のつかない連中ではあるが、多分座っているつもりなのだろう。 「んあ・・・ゆっくりしてただけだよ」 『ゆゆっ!じゃあ、ゆっかりんも一緒にゆっくりするわ!』 ちょっと予想外の展開。ゆっかりんは力を抜いてゆっくりとした表情を浮かべ、ゆっくりした雰囲気を放ち始めた。 まさにこれこそゆっくりといった感じだ。ゆっくりのゆっくりたるゆえんをゆっくりとゆっくりしてゆっくり体現している。 でかくてもやっぱりゆっくりはゆっくりなんだな、と妙に感心してしまった。 『お姉さん』 「んあ?」 『お姉さんはとってもゆっくり出来る人だわ!だから・・・す~りす~りしてもいいかしら?』 「止めて、プレッシャーだけで死ねる」 『ゆぅぅぅ・・・・・・』 涙目になるな鬱陶しい、とは巨大饅獣相手には流石に怖くて言えなかった。 何を饅頭ごときにと思うかもしれないが、そういうことは袈裟懸け(ヒグマ)の2倍に達する巨体を目の当たりにしてから言って欲しい。 でかいというのはとにかく理不尽かつでたらめなものなのである。おお、饅頭怖い饅頭怖い。 『そうだわ!だったらお姉さんがゆっかりんにすりすりしてね!』 「・・・何その斬新な発想?」 『ゆっかりん暖かいわよ?ゆっかりんの綺麗な髪に包まってもいいのよ!』 なまじ(何故か)社長をデフォルメしたようなデザインも手伝ってか、なんか殴りたくなってくる。 ・・・のだが、物凄く期待に満ちた眼差しでこっちを見ていることに気付いてしまい、なんだか断れなくなってしまった。 チクショウ、こいつ綺麗な目ぇしてやがるじゃないか・・・。 「・・・わかったよ、すりすりすりゃいいんだな?」 『ゆっかりすりすりしてね!』 「はいはい・・・」 しぶしぶゆっかりんの髪を引っ掴んで包まり、ゆっかりんの頬にぴたっとへばりつき、頬擦りをする。 ゆっくりゆかり特有の(と思われる)物凄い弾力と、意外にも綺麗で張りがあって艶やかな頬は想像を絶する触り心地の良さだった。 それに・・・ゆっかりんの頬、暖かいナリ。悔しい、悔しいが認める。こいつ気持ち良い。 すりすり・・・すりすり・・・ ぷにぷに・・・ぷにぷに・・・ 『ゆゆ~ん、やっぱりお姉さんはゆっくりしてるわ!ゆっかりんのお母さんみたい!』 「いろんな意味でお前みたいな子どもはいらない」 『でもね・・・ゆっかりんのお母さん、ずっと昔に死んじゃったんだよ・・・凄く強くて大きなドスまりさだったけど・・・』 「・・・・・・」 ああ、もうチクショウ、潤んだ目でこっちを見るな。分かったから、気が済むまですりすりしてやるから! 観念した私はがしっとゆっかりんの頬を掴んで頬擦りをしてやると、ゆっかりんはだらしない笑みを浮かべて一層ゆっくりし始める。 すりすり・・・すりすり・・・ ぷにぷに・・・ぷにぷに・・・ 昔、友人に性格と口は悪いけど面倒見が良いからなんて理由で部活の副部長に推薦されたのを思い出した。 彼女達がそんな具合に仲良くゆっくりしていた頃、山では異変が起きていた。 「ゆぐっ!?やべでね!でいぶのおぢびぢゃんゆっぐぢさせであげでね!?」 「「「「おきゃあああぢゃああああああん!!」」」」 群れには属さないゆっくり一家の巣のすぐ外で、惨劇が繰り広げられていた。 そのゆっくりれいむのつがいはゆっくりまりさで、彼女達の間には7匹の子どもがいた。 4匹がゆっくりれいむで、3匹がゆっくりまりさ。皆とってもゆっくりした可愛い子ども達だった。 しかし、いまやつがいのまりさも3匹の子まりさも黒ずんで朽ち果てていた。 彼女達の亡骸の頭には無数の蔦が生えている。が、あまりに量が多く、実を結ぶことはない。 『んっほっほ・・・おちびちゃんたち!ありすのとかいはなあいをそそいであげるわ!』 「やめぢぇえええええええええええええ!?」 「うにぇうにぇしゃんきょあいいいいいいい?!」 「おきゃああああああしゃあああん!」 彼女達に絡みついて身動きを封じるのは太くて長い触手。そして、それらの持ち主はゆっくりありすの変異種だった。 しかも、馬鹿でかい。体高は2mを上回り、触手も太い部分は成人男性の腕くらいの太さでなおかつ4mほどの長さ。 そんなものが10本ほど、巨大なゆっくりありすに備わっていた。 大方、性欲によって定向進化でもしたのだろうが、これはもはやゆっくりではないと言わざるを得ない。 「やべでね!でいぶのおぢびぢゃんにひどいごどぢないでね!?」 『ひどいことなんてしてないわ!とかいはなあいをあげているのよ!』 「ゆびぇ!・・・ぢゅ、ぢゅっぎぢー・・・・・・」 本来ならばすっきりの恐ろしさなど子ゆっくりには漠然としか分からない。 しかし、まりさ達が犯し殺されるのを目の当たりにしている子ゆっくり達はそれがゆっくり出来ないことであると理解している。 だからこそ、必死になって巨大ありすの触手から抜け出そうと抵抗するが、あまりにも力が違い過ぎる。 何度目になるかも分からないすっきりさせられて黒ずんだ子れいむが投げ捨てられ、さっきまで彼女の上を這いずっていた7本の触手が別の子れいむへと大挙する。 『ゆふふふふふふっ・・・つぎはあなたをとかいはにこーでねーとしてあげるわ!』 「やめちぇええええええええええええ!」 『そんなこといって・・・れいむちゃんってばツンデレさんね!』 そして再び繰り広げられる凄惨な陵辱。 子れいむはあまりにも大きすぎる触手を口内に乱暴にねじ込まれ、今にも窒息しそう。 しかし、実は呼吸をしなくても生きてい行けるともっぱらの噂の彼女達は窒息によって楽になることはありえない。 口内を乱暴にかき回され、思わず餡子を吐き出しそうになるが、汚らわしい触手がそれを許さず、吐き気がずっと留まっている。 「うびぃ・・・うっ・・・」 『さあ、たのしくすっきりするのよ!』 そればかりか、子ゆっくり1匹相手には過剰とも思えるような数の触手が子れいむの頬をさすり、全身に振動を与えてゆく。 うねうねと蠢く触手に弄ばれる子れいむはやがてありすと同時に最初のすっきりを迎え、幼くしてば~じんを失った。 その後も終わることなく嬲られ続け、ものの数分で百回近くすっきりさせられ、アレコレ注がれた子れいむは蔦を生やしたまま黒ずみ、朽ち果てた。 「やべでね!でいぶのおぢびぢゃんごれいじょういぢめないでね!」 『ゆふふ・・・じぶんからすすんでまっさーじだなんてとかいてきなれいむね!』 「おきゃあしゃん・・・がんばっちぇね!」 「おきゃーしゃんがおみゃえをやちゅけてくれりゅよ!」 もはや母にすがるしかない子れいむ2匹は、現実から目を背けて必死に母を応援する。が、当然全く歯が立たない。 れいむが何度体当たりしてもありすは揺るぎもせずに次の子ゆっくりを犯しに取り掛かっている。 が、しかし、犯すばかりの単調作業に飽きたのか、何の前触れもなく、子ゆっくりを握りつぶしてしまった。 「おぢぶぢゃあああああああああああああん!?」 『ゆふふふふ・・・これであなたのいなかもののおちびちゃんはあとひとりよ!』 「ゆぐっ・・・ぐすっ・・・お、おかーしゃぁん・・・」 「おでがいぢまずうう゛う゛ううう゛!なんでぼぢまずがらぼうでいぶのあがぢゃんにひどいごどぢないでええええええ!?」 最後の1匹になってしまった我が子を前に、必死になって許しを請う母れいむ。 それを見た触手ありすは、しばし何かを考え・・・ 『だったらあなたがありすをすっきりさせてね!』 そんなことを口にしながら、母れいむの口内に触手を1本ねじ込む。 妙に臭い触手を咥え、必死に舐めるれいむ。しかし、触手ありすはそれを冷めた目で見つめていた。 なんだ、期待はずれか。 心の中でそう毒づいて、最後の一匹を握りつぶした。 「ゆぐっ!で、でいぶのおぢび、ぢゃん・・・」 『かわいそうね!あなたのてくがいなかものだからしんじゃったわ!』 「ゆっ・・・ご、ごべんね・・・だづげで、あげ・・・ゆっぐ・・・」 物言わぬ饅頭と化した最後の子れいむを前に泣きじゃくる母れいむ。 その悲劇と絶望を田舎モノの三文芝居とせせら笑い、触手ありすは母れいむを叩き潰した。 『あれだけやっておいて最後はアレですか。おお、怖い怖い』 直後、またしてもゆっくりならざるゆっくりが何処からともなく姿を現した。 トナカイのような大きな角に、獅子を髣髴とさせる逞しい肉体、大蛇を髣髴とさせる大蛇に巨大な漆黒の翼、そして紛れもなくゆっくりの下膨れ顔。 目の前に広がる惨状にも眉一つ動かさず、きめぇ丸譲りのニヒルな笑みの張り付いた顔をブンブンとシェイクしている。 『あら、きめら丸じゃない!どうしたのかしら?すっきりしたいの?』 『どうしたのかしら、じゃないでしょう。貴女のお遊びにこれ以上付き合っている暇はありませんよ?』 『ゆゆっ!ゆっくりおもいだしたわ!とかいはなどすとすっきりしにいくのよね!』 『口を開けばすっきりですか。おお、卑猥卑猥・・・などとやっている場合ではありませんね。ティガを待たせていますから急ぎましょう』 2匹は住人のいなくなった巣を後にし、もう1匹の仲間ティガれみりゃと合流し、巨大ゆっかりん達のゆっくり集落へと向かっていった。 『ゆゆっ!何か来るわ!』 『どうも、清く正しくきめら丸です』 『お姉さんはまりさとあのお姉さんを呼んで来てね!』 「・・・んあ?」 突如姿を現したきめら丸と名乗るゆっくりを前に臨戦態勢に入るゆっかりん。 1匹だけこの場に放っておくのも心配ではあったが、目の前にいるきめら丸も人間をはるかに凌ぐ巨饅獣。 地面から頭までの高さだけでも2m近く、体長に至ってはゆっかりんを上回るほど。 こんな奴相手に私が出来ることなんて、饅頭相手にこういうのも癪ではあるが、やはり何一つないだろう。 「・・・わかった」 私は言われるがままにきびすを返し、ゆっくりの集落へと急ぐ。 後ろから、とてもゆっくり同士の喧嘩で出すような音ではない轟音が響いてくるが、振り返ってもしかない。 私はただひたすらゆっくりの集落を目指して疾走した。 異常事態にもつれる足を奮い立たせて何とか集落に到着した。が・・・・・・ 『んほっ!いっぱいいるわ!』 「「「「ごわいよおおおおおお!」」」」 「「「ごっぢごないでね!ぷくううううう!」」」 集落も何処かのおとぎ話から飛び出してきたような化け物に襲撃されていた。 1匹はレイパーありすの変異種だろうか、気色の悪い、おそらくぺにぺにが進化したであろう触手を巣の中へと伸ばしてゆく。 しかも、とにかく馬鹿でかい。他の巨大種よりははるかに小柄だが、それでも2mを超え、触手を含めると5mを軽く超えるだろう。 「やめちぇええええええ!?」 「やめてあげてね!いたがってるよ!」 『とかいはのあ~いをあげましょ~♪』 「わがらないよー!?」 「ちーんっぽ!?」 歌いながら10本の触手を自在に操ってれいむを、まりさを、ありすを、ぱちゅりーを、ちぇんを、みょんを片っ端から絡めとってゆく。 そして、口の中に触手をねじ込み、抜き差しを繰り返しながら快感を貪っている。 助けてやれるものなら助けてやりたい所だが、私が跳び出していってどうにかなるような相手とは思えない。 いかにもなレイパー面をしたそいつに見つからないように急いで木々の間を駆け抜け、ドスまりさの巣に急ぐ。 が、しかし・・・・・・ 『ぎゃお~!たべちゃうぞ~!』 「「でびりゃだああああああああ!」」 『みんな!まりさのうしろにかくれてね!』 ドスの巣の前にもこれまたおかしなゆっくりの姿があった。 一見するとただのれみりゃ変異種のれみりゃザウルスに過ぎないのだが、こいつもやっぱり馬鹿でかい。 ペタン、と座り込んでいるにもかかわらずドスまりさの帽子と同じ高さに顔がある。 立ち上がったらきっと8m以上になるだろう。 「・・・もうやだ、訳がわかんない」 何か頭の悪い夢でも見ているような気分になってきた私は頭を抱えながらドスの後ろに回り込み、彼女の巣の中へ入る。 もちろん、目的は社長。昼間にゆっかりんとドスまりさを容易く一蹴した彼女ならこの事態を確実に打開してくれるだろう。 しかし、私のそんな期待はいとも容易く打ち砕かれることになった。 「・・・こんな状況で平然と寝てるよ」 「zzz・・・zzz・・・」 この社長、何をやっても一向に起きる気配を見せない。 揺すっても、くすぐっても、叩いても・・・は後が怖いので出来なかったが、うんともすんとも言わない。 いくらなんでも寝すぎだろ。そう思いつつ万が一の奇跡にかけてキスもしたがやっぱり無駄だった。 サヨナラ、私のファーストキス・・・いや、いくらなんでもテンパり過ぎだ。 『うるさいんだどぉ~!』 「ゆぎゅ!」「れいぶのおぢびぢゃあああああああん!?」 「もっぢょ・・・ゆっくりいたかった、よ・・・」 『どすぱあああああああああああく!!』 『うぎゃあああああ!いだいんだどぉ~!』 外ではドスまりさとでかいれみりゃザウルスがゆっくりらしからぬ轟音をとどろかせながら大暴れしている。 その轟音が巣の中にまで侵入し、反響して耳を劈く大爆音になる、が・・・やっぱり社長は目を覚まさない。 王子様でも探してこなきゃならんのじゃなかろうか、真剣にそう思い始めたとき・・・ 「おね゛ーざぁん!どずが、ゆっぐぢぢないでにげでねっでい゛っでたよ!」 「・・・ん、ああ」 そう泣き叫びながら私たちの元にやってきたのは昼間私の尻に敷かれたれいむ。 と言われても、このゆっくりを差し置いてこの騒乱の中で惰眠を貪っている馬鹿社長をどうしたものか・・・。 何となく踏み潰されても大丈夫そうな気がしなくもないが、ゆっかりんの攻撃を妙な術を使って受け止めていた以上、多少の怪我はするかもしれない。 それに、あの気色悪いありすにまあなんだ、性的なニュアンスを伴うアレをナニされたりしたら流石に可哀相だ。 などと考えてしまうと放っておく訳にも行かないのだが・・・ 「らん~・・・ごふぁん、まだぁ~・・・・・・?」 その寝言を聞いた瞬間、れいむを抱きかかえ、巣の出入り口に向かって全力で駆け出した。 もう知らん。寝ている間にeraい目にあっても私にゃ関係ない! 一瞬でもあんな変人の心配をしたことを少し後悔しながら、巣から飛び出して森の中へと突っ込んでいった。 『うっう~、もうあきらめるんだど~♪』 『ゆぐぅ・・・ま、まだだよ!まだ、まりさは戦えるよ!』 私はれいむの目と口を塞いだまま、木々の陰に隠れて彼女達の様子を伺う。 巣の入り口付近では2匹の戦闘に巻き込まれた大量のゆっくりが餡子を撒き散らして平らになっていた。 僅かに息があるものも、呻き声を上げるのが精一杯で、どう見てももう助かりそうなものは皆無。 唯一その場でまともに動けるドスまりさも傷だらけでところどころ餡子が露出している。 「う~・・・めんどくさいやつなんだど~!」 『ゆっ!どうしてまりさをやっつけないの?強くてエレガントなれみりゃなら簡単でしょ?』 「そんなのきまってるんだど~!いきてつれてこいっていわれてるからだどぉ~!」 『ゆぅ・・・誰かがまりさを狙っているんだね?』 ただの無駄話・・・というわけでもないようだ。 よく見てみればドスまりさは自分の足元に微弱なゆっくりオーラを展開して体力の回復を図っている。 どうやら、れみりゃの単純な頭を利用して褒めることでおだてつつ、話に乗せているらしい。 しかし、対するれみりゃは四肢一本の欠損すら見られず、多少の擦り傷や火傷以外の外傷が全くなかった。 多少傷が癒えたくらいでどうにかなる相手でないことは、目に見えていた。 『そう・・・まりさがいたせいでこんな風になったんだね・・・』 そう呟き、俯くドスまりさ。 それは違う。その誰かは・・・恐らく人間だ。まりさが居たせいじゃない、これはただの人間のエゴだ。 出来ることなら駆け寄ってそう言ってやりたい。が、飛び出していってもどうにもなるまい。 れいむを抱きかかえたまま、ドスまりさに背を向けて山林の中を駆けていった。 『ゆふんっ!まだいっぴきのこってたのね!』 「うげ、見つかった・・・」 「ゆえええええええん!こわいよおおおおお!?」 私だって怖いっつーの!ついでにレイプ中のこいつらの顔は生理的に受け付けないよ! しかし、怯えるれいむの前でそれを口にするわけにもいかず、決死の逃走を繰り広げる私達の前に立ちはだかる触手ありすを睨む。 見ているだけで不愉快な化け物とは言え所詮は饅頭だ。斧の一つでもあれば何とか対抗できるかも知れないが・・・ 「・・・うへぇ」 彼我の戦力差は圧倒的。そう判断した私は恐らくゆっくり達が舗装した道から、巨体には不利な木々の密集地へと駆け出す。 うねうねと蠢きながら襲い来る触手を必死にかわし、木々を避けながら触手ありすを誘導する。 幸い巨大化していてもゆっくり特有の鈍足は健在、私が全力で走ればある程度距離を稼げる程度の移動速度でしかない。 もっとも、結構な大型のれいむを担いで全力疾走できる距離など知れており、結局追いつかれる羽目になるのだが。 「よしっ!」 『れいむううううううう!ありすがとかいはのあいをあげるわああああああ!!』 とはいえ、そんなことはいくら私でも最初から想定している。 何とか狭い道を選んで木々をバリケード代わりにしながら触手ありすとの距離を保ち、逃げ続ける。 何処へ向かっているかを考える余裕なんてなかったし、そもそも自分が今何処にいるのかも分からない。 ただ、あんなのに捕まりたくない、それにれいむを放っておくわけにもいかない。 その一心だけで木々の隙間を駆け抜けた。 「おねえええざぁん!」 「あーっ、もうっ!五月蝿い!?」 抱きかかえられているれいむは大粒の涙をぼろぼろ零しながらも私の衣服に必死に噛み付いている。 多分人間でいうところのしがみ付くに相当する行動なんだろうが、動きにくくなるので正直鬱陶しい。 それにいい加減腕が疲れてきた。しかし、触手ありすの不快な咆哮がまだ聞こえてくる以上、ここで休むわけにもいかない。 『まぢなざああああい!れいむううううううううう!』 「ごわいよおおおおおおおおお!?」 怖っ!本当に何処の神話の世界から飛び出してきたんだか、あのミュータントは・・・。 とはいえ、上手く通行を阻むことが出来たのか、その声は徐々に小さくなっている。 このままなら何とか逃げ切れるはず。 そう思って安堵した瞬間・・・ 『ゆ゛っ・・・お、おね゛ーさ、ん?!』 『おや、ご自分から戻ってくるとは・・・おお、愚か愚か』 一体、どうすればこんなデカブツを見落とすのかと思うような巨体が2つ。 不運にも瀕死のゆっかりんと、きめら丸に鉢合わせてしまったらしい。 ぼろぼろの体で懸命に這いずってきめら丸と私たちの間に立ちふさがるゆっかりん。 『だべよ・・・おねぁざんはゆっがりんが守る、よ・・・』 彼女がきめら丸に蹂躙される光景を目にした瞬間、頭の中が真っ白になる。 更に絶望的なことに、薄れゆく意識の中で撒いたはずの触手ありすを視界の隅に捉えてしまった。 ゆっくりいじめ系2165 巨大ゆっくりの饗宴(後編)」?に続く
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3000年前…力を持った一匹のゆっくりが自らを魔王と名乗り人々を苦しめた。 だがやがて勇者が現れ魔王は封印される。魔王は封印される間際に言った。 世が乱れ憎しみで満ちたとき我は再び蘇る、と。そして現在、ついに魔王が復活したのだった! 第一章 プロローグ 魔王はまりさ種であるが全長10mをゆうに超え、頭には2本の角、鋼のような黒く硬い皮膚を持っていた。 その赤い瞳からは知性を感じさせるが同時に残忍さを感じさせる。側には四匹の側近が付き添っていた。 魔王により各地のゆっくり達は魔王の根城、風雲ゆっくり城へと集められていく。 「ゆっ!魔王さまがゆっくりできない人間達をこらしめてくれるね」 「これでみんなゆっくりできるようになるよ!」 ゆっくり達は魔王が人間達を倒したつもりになって喜んでいる。 「でもなんで魔王様はみんなを集めたのかな?」 「きっとゆっくりできるいい話だよ」 やがて世界中のゆっくり達が魔王の住む風雲まりさ城に集まった。魔王がゆっくりと口を開く。 魔王「皆に集まってもらったのは他でもない…朕はゆっくり達が平和で幸せにゆっくりできる世界を創ろうと思う」 ゆっくり達から歓声が上がる。やはり魔王さまはゆっくり達のために戦ってくれるのだ! 魔王「だが問題なのは勇者の存在…奴は必ず我の前に立ちふさがるであろう。お前達は我に協力してもらいたいのだ」 ゆっくりたちの歓声はさらに強くなる 「みんな魔王様と一緒に戦うよー」 「みんなでゆっくりできる世界をつくろうねー」 だが魔王はゆっくりと首を振る 魔王「いやその必要は無い」 魔王はゆっくりと息を吸い込むとゆっくりたちに向けて吐き出す。魔王の息は炎となりその場のゆっくり達を焼き饅頭に変える。 突然の事態にパニックになりながらも逃げ惑うゆっくりたち。 「い゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛づい゛い゛い゛い゛!!」 「な゛ん゛でな゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「も゛っ゛どゆ゛っ゛ぐり゛じだがっ゛だよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!」 逃げ惑うゆっくり達をみながら魔王は口を開く。 「前回勇者に倒されてから朕は考えていたのだよ…なぜ朕が人間ごときに負けたのか」 それに続き側近達が口を開く。 「それはお前達雑魚ゆっくり達が勇者に倒されることにより経験値を与え勇者を強くしたからだ」 「ゆっくりを倒すことでしかLVUPできない勇者は雑魚ゆっくりが滅びれば強くなれない」 「お前達雑魚ゆっくり達は我ら上級ゆっくりのために滅びてもらう」 「ちからなきゆっくりたちよ…ゆっくりちね!」 それを聞いたゆっくりたちは逃亡にかかる。 「魔王さまの考えはゆっくりできないよ」 「ゆっくり逃げようね!」 だが入ってきた扉が閉まりゆっくりたちはみな閉じ込められた。 ゆっくり達の中には無謀にも魔王に歯向かおうとする者もいた。 だが魔王の鋼鉄の毛が針のように体に突き刺さり身動きが取れなくなる。 「あ゛、あ゛が…あ゛があ゛あ゛」 針が刺さっても餡子が漏れる事はないのでなかなか死ぬことができない。 激痛のためもがこうとするが針が食い込みより痛みが強くkなる。 「光栄に思うがいい、魔王さまの手にかかり魔王さまの経験値となることができることを!」 「喜ぶがいい、魔王さまに食べられ魔王さまの血肉となることができることを!」 その日風雲ゆっくり城はゆっくり達の悲しみと苦痛の叫びで満たされた。 第二章 悪霊のごときお兄さん 勇者の血を引く人間”き゛やく”が主人公。魔王の追撃から唯一逃げることができたゆっくりれいむは 魔王に復讐すべく勇者に倒され経験値となる。だが勇者もゆっくり1匹程度の経験値ではレベルアップできない。 勇者の相方で僧侶の”まいこ”はリザレクションの魔法で何度もゆっくりれいむを蘇らせ勇者に倒させる。 そのうちゆっくりれいむの経験値に満足できなくなった勇者はゆっくりれいむをその辺に住む醜悪なモンスターと合体させる。 醜くなった代わりに強化されたれいむのおかげで楽々LVUPする勇者。ついに前勇者が魔王を倒したLVに到達する。 れいむ「こ、これだけ強くなれば十分だよね?もうれいむを殺さないでね」 き゛やく「いや俺LV上げるの楽しくなってきたわ。このままLV99目指すぜ(ザク)」 れいむ「い゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛い゛だい゛い゛い゛い゛い゛!れ゛い゛ぶま゛だじぬ゛う゛う゛う゛う゛!」 まいこ「死んでもすぐ生き返らせるから大丈夫ですよ。リザレクション!!」 やがてLV99になる勇者 れいむ「こ、今度こそもう終わりだよね…もうれべるあっぷしないもんね」 き゛やく「それがさっき調べたらLV99になると転生してよりパワーアップすることができるらしい。 LVが1に戻る上LVUPに必要な経験値が3倍になるけど強くなるためにはやるっきゃないよね(ザク)」 れいむ「ぐげえ゛え゛え゛え゛え゛!も゛う゛でい゛ぶを゛え゛い゛え゛ん゛の゛ね゛む゛り゛に゛づがぜでえ゛え゛え゛え゛え゛!」 まいこ「じゃあ生き返らせますね。リザレクション!!」 ※ゆっくりと別の生き物との合体がゆっくり転生と設定が被るので没になりました。 第三章 そして伝説へ チルーザム「さあ来いき゛やく!オレは255回斬らないと倒せないぞオオ!」 き゛やく「チクショオオオオ!くらえチルーザム!」 勇者は携帯用火炎放射器をチルーザムに向けると炎を吹き付けた。 チルーザム「ギアアアア!」 物理攻撃には強いチルーザムだが炎には弱いらしく一瞬で消し炭になる。 レミール「チルーザムがやられたようだな…」 デスレイム「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」 メフィスリン「人間ごときに負けるとは上級ゆっくりの面汚しよ…」 チルーザムが倒れても四天王は3匹残っていた。 音速で移動・ワープができるレミール、即死魔法を使うデスレイム、そして全てが謎の存在メフィスリン。 いずれもチルーザムなど比較にならないほどの強敵である。 き゛やく「ウオオオオオオ!この炎をくらえエエエエ!」 3匹「グアアアアアアア!」 部屋に入ってきた勇者は3匹に火炎放射器の炎を向ける。3匹も一瞬で消し炭になった。 き゛やく「やった…ついに四天王を倒したぞ…これで魔王のいる風雲まりさ城への扉が開かれる!!」 魔王「よく来たな勇者き゛やく…待っていたぞ…」 き゛やく「こ…ここが風雲まりさ城だったのか…!感じる…魔王の魔力を…」 魔王「き゛やくよ…戦う前に一つ言っておくことがある。 朕の魔王スパークは一撃でトウキョウ租界を消滅させるほどの威力を持つが、撃つまでに溜め時間が10時間必要だ」 き゛やく「な 何だって!?」 魔王「そしてちょうどこれから溜め始めるところだ。どう考えても間に合わないなクックック…」 大魔法が間に合わないなら詠唱時間の短い魔法で戦えばいいんじゃね?と思うだろうが、 勉強嫌いな魔王は魔王スパーク以外の魔法を勉強していなかった。 いわゆる”ギガデインが使えれば他の魔法使えなくてもいいんじゃね?”理論である。 き゛やく「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある。ここに到達するまでに 強敵(ライバル)との戦いや伝説の装備集め、可愛い相方とのラブラブイベントなどがあると期待していたが ホームセンターで火炎放射器を買ったのと四天王討伐以外のイベントは何一つ無かったぜ!」 魔王「そうか」 第二章が没になったので勇者のLVは1。相方の存在自体もなかったことになっている。 魔王はゆっくりと魔王スパークの溜め状態に入り完全に無防備な状態となった。勇者はすかさず魔王にとびかかる。 勇者 「ウオオオいくぞオオオ!」 き゛やくの勇気が世界を救うと信じて…!ご愛読ありがとうございました! 過去の作品 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt)
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効率良くゆっくり達の関係を悪くさせる方法はないだろうか? 効率良くゆっくりの駆除をする方法はないだろうか? 効率良くゆっくり達を服従させていく方法はないだろうか? これらのテーマを元に考え出されたのが「色仕掛けをするゆっくり」であった。 そもそも、人間ですらデート商法・接待などの異性を利用した人心操作が行われている。 ならば、人間よりも馬鹿で単純な生き物であるゆっくりにこれを応用することが考え出されたのは、必然と言えよう。 誰が言い出したかは分からないが、ゆっくりを色欲で操作するプロジェクトは加工所の中で密かに進められていた。 このような色事に縁の深いゆっくりといえば、そう、あいつしかいない! 「ばでぃざったら、ありずのでぐにめろめろね゛えええええぇぇ!」 「い゛やああああああああ!!」 「すっきりぃいいいいいいい!!!」 「すっきりぃ…もうありすとはゆっくりできないよ…」 「また駄目だったか…」 「やっぱり無理ですよ、こんなの。すっきり好きのありすとはいえ、れいぱーの行為はゆっくり達には忌み嫌われてるんですから…」 実験は難航していた。餌・生活環境を整え、美ありすを作り出すところまでは簡単だった。 お相手のいないゆっくりは高い確率でこのありすと生活を共にすることを望んだ。 しかし、既にお相手がいるゆっくりの仲を引き裂くほどの効力はなかった。 さらに、カップルになっても、いざすっきりする段になるとありすの本性を垣間見て 一気にありすへの愛が冷めていくゆっくりがほとんどだった。 「どうにか強制的にゆっくりさせるような方法があればいんですけどね…」 「!、それだ!」 連れてこられたのはドスまりさ。 ドスのゆっくりオーラは、どんな生き物でもゆっくりさせてしまう効果があるという。 問題は、どうやってありすにこの効果を持たせるかだ。 物は試しである。ドスまりさから抽出した餡子をありすに注入する。 入れられた瞬間はびくびくとして、「いなかものおおおおお!」等と叫んでいたありすだったが、しばらくすると大人しくなった。 外見は全く変化がない。 試しにちかくにゆっくりまりさとれいむのカップルを置いてみる。れいむは頭に茎が生えた出産間近のものだ。 そこに、ブルブルと振動を与えた実験体ありすを放つ。 「ばでぃざあああああああああああ!!!すっきりしよおおおお!!!」 「い゛やああああああああ!!」 やはり嫌がるまりさ。おろおろするれいむ。子供がいるからか、身の危険を感じてか、何もできずにいる。 肌をこすり合わせるうちに、すりすり型のすっきりの特徴である粘液がありすから分泌され始める。 それに乗じて、まりさも次第に顔に赤みを増していく。 すりすり… すりすり… 「まりさ!いっしょにすっきりしようねええええ!!」 「うん、ありす!すっきりしよう!」 「「すっきりー!」」 すっきりを終えた2匹。まりさの頭にはもちろん茎が生え始めている。 そこでようやく、今まで蚊帳の外だったれいむがまりさを連れ、ありすから逃げようとする。 「まりさ!ゆっくりできないありすだよ!いまのうちににげよおお!」 「ゆ…まりさにげないよ。ありすとずっとゆっくりしたいよ…」 「どぼじでぞんなごというのおおおおおおおお!!!!」 「れいむはひとりであかちゃんそだてていってね…」 「どぼじで(ry」 出来てしまった。かくして、ここに「色仕掛けありす」が誕生したのである。 その概略はこうだ。 ありすがすっきり行為をする時に分泌される液体にはどうやらドスの持つゆっくり成分が凝縮されて含まれているらしい。 この成分はすっきりのお相手であるゆっくりにのみ吸収されるので、人間への影響はない。 そして、その成分を含んだ液体や精子あんこを吸収したゆっくりは、このありすといればゆっくりできるという思いと、 またあのような最高のすっきりが出来る、という思いからありすについていこうとする。 さらに、研究を重ねることで、何回もすっきりを繰り返すことで段々とありすへの依存が強まり、 ありすの言いなりになってしまうことが分かった。 これを世に出せば、ありすを中心とした効率の良いゆっくりの統制が行えることだろう。 しかし、これを世に出す前にテストとして一般人に引き取ってもらう必要がある。 なるべく色々な使い方を模索してくれる人がいいのだが… ゆっくり関連製品購入者リストをめくっていく。 じゃあ…彼にしようか。 「お菓子の柚栗堂 店員 ○○○○」 ある晴れた休日のことだった。 「ピンポーン」 滅多にならないドアのチャイムが鳴った。 俺にアポなしの訪問などあるはずがない。どうせセールスか何かだろうと思った。 「ゆっくり加工所の物ですがー」 「はい?今開けます」 加工所?加工所には虐待用のゆっくりを買ったり、怪しげなマシーン等を買ったりしてお世話になっている。 しかし、わざわざ向こうから来るとは、いったいなんなのだろうか? 「いやー、ご在宅で良かった。今回貴方には新作ゆっくりのモニターを行っていただきたいのですが…」 かくかくしかじかと説明をする加工所職員。手には段ボール箱。 「それで、お今回の話、お受けしていただけますか?」 しばらく考えに耽っていた俺は、はっと気がついて、 「もちろんですよ!」と返した。 はやる気持ちで段ボール箱を開けた。 段ボール箱を開けると、そいつは普通のありすと変わらない姿・口調で、 「なかなかとかいはのおうちね!ここをありすのゆっくりぷれいすにしてあげてもいいわよ!」とほざいた。 それからの一週間の自由時間は全てこのありすの調教に当てた。 貴重なありすである。殺さないように、しかし体罰を与えることは厭わなかった。 そして、苦労の末、プライドの高いありすは俺の命令をきくようになっていた。 その時には既に、ありすの歯は全て無くなっていたが。もちろん、調教後に修復しておいたのは言うまでもない。 俺はまず、ありすの性能をテストすることにした。 「おにいさんありがとう。とかいはのらんちたいむだったわ」 「ありす、君にやってほしいことがあるんだ」 「なに?おにいさん」 「外からにんっしんっ!したまりさを一匹、家に連れてきてほしい。いいね?あと、その時にすっきりしちゃってもいいからね!」 「ゆっくりりかいしたわ」 二時間後、ありすは望み通り通常よりも膨らんだ胎生にんっしんっ!まりさを連れて来た。 思ったよりも早かった。きっとすっきりが自分の武器になることを熟知しているのだろう。 教育した甲斐もあって、必要最低限のすっきりしかしなかったようである。生えている茎は一本だけだった。 まあもう一つの仕掛けとして、れいぱー化しないよう、性欲を抑える薬を先ほどの食事に混ぜておいたのだが。 「ようこそ!、僕の家へ。歓迎するよ!」 「ゆっくりしていってねぇ…」 まりさは未だ夢見心地である。目がとろんとした状態のままありすの方ばかり見ている。 「ありす、ありす、ちょっと来て」 「ゆ?」 「このまりさ、誰とのこどもが中にいるの?」 「れいむよ!」 「ありすは自分の子供と、れいむの子供、どっちが欲しい?」 「もちろんありすのあかちゃんにきまってるじゃない」 「それじゃ、中の子供は殺しちゃおうか」 後は簡単であった。ありすに何回かすっきりをさせる。 回数を重ねる毎にまりさはありすへの愛を深めていく。 体力は残しておいてもらわないとこまるので、まりさに疲れの色が見え始めたところで中止するように言った。 すっきりが一通り終わったところで、ありすからこの家の主は俺であること、俺の命令は絶対であること そして、俺の命令に従わない場合はまりさを嫌いになる、という主旨のことを伝えさせる。 「やべでよぉお?ありすがいないど、ばでぃざゆっくりできないゆぅうう!!」 「じゃあ僕の言うことを聞いてね!」 「おにーさんのいふこときくよおおおお?ありすがすきだがらぎぐお!」 「ありすも僕も、君のお腹の中の子供…要らないと思うんだ! ゆっくりできないれいむとの子供だろ?そんな奴がいたらありすとゆっくりできなくなるぞお?」 「やべでねぇええ…ありす、きらいにならないでねえええ…ゆんしょ!ゆ゛ぅうううううううう!」 まりさが力み始めた。お腹の中の未成熟な子供を無理やり押し出して堕胎するつもりなんだろう。 「ゆ゛ううううううう!!!!ゆ゛うううううう!!!」 「頑張れ、まりさ!」 「がんばってね、まりさ!」 ありすの黄色い声援を受けて、一層力を込めるまりさ。 「ゆ゛っ!!!」 すぽっ! 少し拍子抜けするような音を出して、中から黒っぽい塊が飛び出してくる。 餡子の周りには薄く肌色の膜が纏わりついているが、形を保つには不十分なものだった。 髪ももみあげの部分しか生えておらず、リボンはその髪にかろうじて繋がっている。 見るからにひ弱、今すぐにでも命の灯が消えそうな赤れいむ。 「潰せよ」 特に躊躇いもせず、まりさはそれに飛び乗った。 ぐちゃっと潰れる際、それは「もっちょゆっきゅりしたきゃったよ…」とか言ったような言わなかったような。 「ありすのとかいはのおうちが、いなかもののれいむでけがれたわ!ゆっくりそうじしていってね!!」 「そうだね、後始末も頼んだよ。さあ、ありすはこっちに来てご飯の準備しようね!」 一人取り残されたまりさはありすのために我が子の残骸をひたすら舐め取るのだった。 次の日、まりさは随分とすっきりの疲労から回復して、元気になっていた。もちろん、お腹の子供が居なくなったのもその一因である。 元気に頭の茎をゆさゆさ揺らしながらありすに擦り寄る。 ありすもそれに答える。 朝から元気なことだ。 俺はただ一言、「殺すなよ」と言って、仕事に出かけた。 帰ってくると、まりさの頭の茎は三倍以上に増えていた。こうなるとどっちが本体か分からない。 一応、本体の方はかろうじて生きていた。既に虫の息だったが、それでも 「ありすぅううう…あかちゃんたくさんできてうれしいよぉ…」 とか言ってるのが微笑ましい。 ありすは俺がいない間、上手く調節してすっきりしてくれていたようだ。 そもそも、野生のありす種が見境のないれいぱー化しやすいのは、その性格による欲求不満からであり、 満足に相手とすっきりできる今となってはその欲求が暴発することもないのだろう。 あまり長引かせるのも何なので、食事後には始めるとするか。 まりさが外で雑草を食べている最中、俺はありすと食事をする。 「ありす、一日暮らしてみて、このまりさのこと、どう思う?」 「なかなかとかいはのまりさよ!それでもわたしのとかいはっぷりにはかなわないわね!」 ハハッ、違いねぇ。 「ありす、僕はこのまりさは君に合ってないと思うんだけれど…」 「そ、そんなことないわよ!まりさとゆっくりしたいわ!」 「ありす…歯がないとご飯もおいしいくないね?」 「ゆ…あれは…もう、やべで…そうね!まりさはゆっくりできないまりさよ!」 「じゃあポイしようか」 「そうよ!ポイ、よ!」 「そうだよな!ごちそうさま。ありすもこっちに来てね!」 ありすを呼ぶ。外で雑草掃除をしていたまりさも呼ぶ。 「いま話をしていたんだけど、ありすは君のことが嫌いになっちゃったらしいんだ。 もう君とはゆっくりできないんだって…」 「どぼじでええええええ!!??ありずがいない゛どまりさ、まりさは…」 「まりさはどうなるんだ?」 「いぎでいげないいいいいいい!!!!」 「じゃあ死ぬ?最後にありすに良いところみせて死ぬ気はない? ありすのために生きてきたんだろう?ありすのために死ぬ気はないかい?」 ありすが黙ったままなので、発言を促す。 「しんでね」 「ゆ゛」 「ありすのまえからきえてね!」 「ゆ゛ううううううううううう?????」 「と、いうことだ。サクッと、ね」 心身ともに疲弊したまりさでは自殺は難しいと考えたので、台所に持って行って、鍋に熱湯をはる。 「飛びこめば終わりなんだけど…そうだ、最後にいい思い出作りをしよう。ありす、すっきりしてあげてね!」 「ゆっ!?」 突然の事に動揺するありす。 しかし、逆らえばどうされるか分かっている。 相手ならまた作ればいい。自分はどんなゆっくりにも負けないくらい、とかいはなのだから… 「まりさ、すっきりしよおおおおお!」 「ありすううううううう!!!!!!」 「「すっきりするよおおおおおお!!!」」 激しく身をこすり合わせる2匹。まりさは限界に達しようとしているが、ありすは暗い表情のままである。 「すっきりー!」 「ゆっくりおゆにとびこんでね」 すっきり直後で酩酊するまりさ。ありすのためなら、ありすのためなら…もうゆっくりしてもいいよね? まりさはゆっくりと鍋に沈んでいった。 沸騰した湯だ。もう手遅れだろう。 ありすは泣いているのかよくわからない表情をしていた。 俺は性能を確認し終え、これからを期待してはっきりと笑っていた。 続け 【あとがき】 出来る限り続けたいです。もうちょっと無機質な虐待を目指して。 ターゲットにされるゆっくりは、精神的には幸せなので、精神的な虐待のがお好きな人はお気に召さなかったかもしれません。 そもそも虐待なのか? 登場する男は一応他の作品とリンクしてますが、特に読み進める上では問題ないかと思います。不快ならばご指摘ください。